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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
幻想の復讐
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ように結晶でテレポートしたんだ」

「なら、あの時お前が追いかけたあのフーデッドローブは……」

「グリセルダでもグリムロックでもない。カインズだ」

俺がそう断定すると、アスナは視線を宙に向け、短く嘆息した。

「殺人犯なんて……最初から存在しなかったのね」

「……でも、なんで2人は、こんなややこしい事件を起こしたんだ?しかも、自分達が殺されたような演技をするなんて……」

キリトの質問にも、俺は即答した。

「おそらく、2人の計画の出発点は、例の《指輪事件》にあるんだろう」

「それって、《黄金林檎》がドロップしたっていう、敏捷力を20も上げる指輪のことだよな」

「ああ。ヨルコとカインズの目的は、その指輪を持っていたグリセルダが誰に殺害されたのか突き止めること。そして指輪売却に反対した自分達があたかも殺されたように見せかけ、ありもしない《圏内殺人》を生み出し、《指輪事件》の犯人を追い詰め、(あぶ)り出そうとした」

「……2人は自らの殺人を演出し……幻の復讐者を作った」

「シュミットのことは、最初からある程度疑っていたんだろう」

俺は指先で顎を(さす)った。

「奴は小ギルドから攻略組の《聖竜連合》に加入した男だ。異例だと考えるのも当然だ。もし俺が2人の立場だったら、間違いなく最初にシュミットを疑っただろう」

「……だとすると、グリセルダさんを殺して指輪を奪ったのは……誰なの?」

「それは……まだわからないが」

存在もしない黒衣の死神に怯えるシュミット。その負の願望は、否応(いやおう)無く言動(げんどう)節々(ふしぶし)に現れる。だが、黒衣の死神に心の底から怯え、俺達にギルド本部までの護衛すら頼んだシュミットに、《レッドプレイヤー》の狂気を持っているとは思えない。グリセルダ殺害の犯人がシュミットじゃないとして、真犯人は誰なのか。俺もまだ、そこまでは突き止めていなかった。

椅子の()(もた)れ体を預け、もう通り向かいの酒場のことなど忘れたかのように、アスナは視線を街並みの上空へ向けた。

「……何にせよ、シュミットさんは今、極限まで追い詰められてるはずよ。復讐者の存在を信じ切って、圏内……いえ、ギルドホームの自分の部屋ですら安全とは思えないでしょうね。これから……彼はどう動くかしら」

「うーん……」

シュミットがこれからどうするだろう。一時(いっとき)の欲望に負けてプレイヤーを殺害してしまい、後になってそれを後悔した時、どうするだろう。

俺はまだ、この世界で直接プレイヤーの命を奪ったことはない。

しかし、俺のせいで死んでいった者達がいる。俺は自分の愚かさと欲望ゆえに、殺したライダー達のことを今も常に悔やんでいる。彼らの墓の前で、何の贖
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