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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
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、探偵トリオの3人は、昨夜夕食を食べ損ねた第57層主街区《マーテン》のレストランのドアを潜った。
朝の時間だけあって、店内に他のプレイヤーの姿はなかった。一番奥まったテーブルにつき、チラリとドアまでの距離を確かめる。これだけ離れた位置にいれば、大声で叫びでもしない限りは、店の外まで会話が漏れることはない。
ヨルコも朝食はもう済ませたというので、4人同じお茶だけをオーダーし、
速攻
(
そっこう
)
届いたところで改めて本題に入る。
さっと首を振ってから、アスナが最初の重要な質問を放った。
「ね、ヨルコさん。あなた、《グリムロック》って名前に聞き覚えある?」
俯
(
うつむ
)
けられたヨルコの顔が、ピクリと震えた。
やがて、ゆっくりとした、しかし明確な
肯定
(
こうてい
)
のジェスチャーがあった。
「……はい、知ってます。昔、私と《カインズ》が所属していたギルドのメンバーです」
か
細
(
ぼそ
)
い声に、3人はチラッと視線を見交わした。
やはり関係者だったか。となれば、そのギルドで今回の事件の原因となる《何か》があったのかどうかも確認せねばならない。
今度は、俺が2つ目の質問を発した。
「ヨルコ。俺は今回の事件が、カインズがそのギルドで起こした何らかの出来事のせいで、犯人の恨みを買い、殺されたのではないかと考えてる。そして、昨日カインズの胸に刺さっていたあの黒い槍は、グリムロックが作成した武器だと、鑑定してわかった」
最後の一言を聞いた途端、ヨルコは両手で口を覆い、驚愕の表情を浮かべた。
「その反応、何か心当たりがあるんだな」
俯いたまま、長い沈黙を続けた後、微かに震える唇を動かした。
「……はい……、あります。昨日、お話できなくて、すみませんでした。忘れたい……あまり思い出したくない話だったので、無関係だと思いたかったこともあって、すぐには言葉にできなくて……。でも、お話します。あの出来事のせいで、私達のギルドは消滅したんです」
ヨルコはゆっくりと唇を動かし、話す。
ギルドの名前は、《黄金林檎》といいました。攻略目的でもなんでもない、総勢たった8人の小ギルドで、宿代と食事代のためだけに安全な狩りだけしていたんです。
いわゆる、生き残りたい者達の寄せ集めギルドと言ったところ。
でも、半年前……中層のサブダンジョンに潜っていた私達は、たまたま遭遇したレアモンスターを倒すことに成功しました。そして、あるアイテムをドロップしたんです。
そのドロップしたアイテムは、敏捷力を20も上げる指輪だったんです。当時は、そんなマジックアクセサリー、今の最前線でもドロップしていないと思ったんです。
ギルドで使うという意見と、売って儲けを分配するという意見に割れて、喧嘩に近い言い合いに
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