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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#7
呪縛の死線 玲瑞の晶姫VS漆黒の悪魔U 〜Shallow Sleep〜
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レもなくスタンドは足場にしていた
仮面を蹴り余裕で飛び去る。
 軽やかにフロアへ着地する悪魔の眼前で、
亀裂の走った淑女の仮面が刺撃の余波で罅割れそして弾け飛び、
内に隠れていた美貌が露わになった。
「再生……不能……」
 無機質な声が消え去るように飛び散ったペルソナの破片から響き、
糸となって解れ弱々しく元のヘッドドレスへと戻っていく。
 宙に浮いていた淑女も糸の切れたマリオネットのように両膝を床に付き、
舞い散る幻想の火の粉も神聖な気配も残らず消し飛んだ。
「あ……ぁ……」
 額から鼻筋に血の伝うヴィルヘルミナの心を想像だにしえない屈辱が苛む。
 ソレは刻まれた傷の痛みを更に残酷に押し広げた。
「あぁ……! ぁ……ッ! ああぁぁぁ〜ッッ!!」  
 骨まで削られた咬創を押さえ、ヴィルヘルミナは初めて苦悶の声を上げた。
 切断は免れたが筋繊維は疎か神経までズタズタにされた右腕、
精妙な指の動きを骨子とする彼女にとって、コレは致命傷に等しい。
 戦技無双のフレイムヘイズ “万条の仕手” の(ワザ)は完全に封じられたのだ。
『グゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲゲ!
良ぃ〜い声で鳴くじゃあねーかテメー?
恨みも忘れて感じてきちまったゼ、
フェヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘッッ!!』
 最早万策尽きた創痍の淑女に、悪魔が無慈悲に歩み寄る。
『愉ぁ〜のしみだなぁ〜? 
コォ〜レから “もっと良い声で” 泣き叫んでくれるんだろぉ〜?
フェヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ!
まぁたっぷり可愛がってヤるから安心しろよ?
すぐに “マジシャンズ” も襤褸雑巾(ぼろぞうきん)にして送ってやるからよ?
イヤ、テメーの目の前で刻んでヤるってのも面白いかな?
ギャーーーーーーッハッハッハッハッハッハッハッッッッッッッッ!!!!!!!!』
 閉鎖された呪縛空間で、悪魔のドス黒い狂声が響き渡る。
(そんなコト……絶対にさせない……ッ!)
 心と躰の痛みを懸命に堪えながら、ヴィルヘルミナは強く胸に誓う。
 脳裡に甦る、最愛の少女。
 翳りのない純粋な、何よりも眩しくて何よりも大切な笑顔。
 それが、悲しみや絶望で汚される事は在ってはならない、
絶対しちゃいけない!   
 再度心中で烈しく、屈辱も苦痛も吹き飛ばして
燃え盛る炎を彼女は必死で制御した。
『オイ? どーした? もう観念して捨て鉢ンなっちまったか?
少しは抵抗してくれねーと燃えねーんだ』
「 “思い込む” という事は、
何よりも “恐ろしい” コトでありますな……」
 下卑た声で告げられる悪魔の勝ち誇った言葉を、
淑女は俯いたまま遮った。
『あ? 何言ってんだ? 痛みでイカれたか?』
「ソレが、自身の戦力や能力を優れたモノと過信
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