暁 〜小説投稿サイト〜
色を無くしたこの世界で
第一章 ハジマリ
第16話 VSジャッジメント――消滅
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
『さぁ!! 逆転に追い込まれてしまったジャッジメント! 選手達にも疲労の色が見えてきますが大丈夫でしょうか!? ボイド選手のキックオフで試合再開です!!』

 試合再開のホイッスルが鳴ると同時にボイドからパスを受け取ったカオスは、ギロリと自分の前に立つ天馬達を睨み付ける。
 不気味に光る鋭い目つきに、天馬達は一瞬ビクッと肩を震わせた。
 具合が悪いのか、青白い顔をして左胸を押さえる彼は、それでも荒くなった声を上げる。

「僕が負ける。そんな結末は、あってはならないっ!」

 そう叫ぶと、カオスは赤黒い光で自らの姿を包み込む。
 弾けた光の中から出現したのは、先ほども見たソウル《フェンリル》だった。

『カオス選手、試合再開直後でソウルを発動!! これは一気に攻め上がるつもりかぁ!?』 

 フェンリルはそのまま、ゴールに向かって真っすぐに突き進んでいく。
 なんとか止めようとするデュプリ達も、ソウルを発動しようとしたアステリをもなぎ倒し、突き進んでいく。

《貴様等ごときに止められるモノかっ!!》
「っっ…………時間は稼いだ……天馬、フェイお願いっ!!」
《何……? ……!!》

 カオスのソウルに吹き飛ばされ、地面に倒れ込むアステリがそう叫ぶ。
 その声の先にはカオスの行く手を阻む為、並んで立つ。天馬とフェイがいた。

『おぉぉと!! 松風選手にフェイ選手! カオス選手を止める為、ここまで下がってきていたぞー!!』
「デュプリや裏切り者で、あそこまで戻る為の時間を稼いだのか……」
《構わん、突破してやるっ!!》

 黒縁のメガネをかけた選手の言葉に、ソウルを発動したカオスがそう叫ぶ。
 と、先ほどよりもスピードを上げ、天馬とフェイに向かって突進していく。

『カオス選手! スピードを上げたぁー!! 行く手を阻む松風選手とフェイ選手に向かって突き進んでいきます!!』

――アステリもデュプリ達も、身を挺して俺とフェイが戻るまでの時間を稼いでくれた……
――今度は俺達が頑張る番だ……!

「行くよ、フェイっ!!」
「あぁっ!!」

 そう言い放つと二人は身体中に力を入れ、背後から同時に紫色のオーラを発動させた。
 オーラの一つは、ウサギの様な長い耳を持った戦士の姿に。
 もう一つは白い翼を携えた強靭な肉体を持つ魔神の姿に変化する。

「光速闘士ロビンっ!」
「魔神ペガサスアーク!!」
《化身……ッ!?》
『テンマーズゴール目掛け猛進するカオス選手の前に、二体の化身が立ちふさがるーっ!! 化身VSソウル、果たして勝負は!?』

 「これ以上、点はやらない」。そう決意した天馬とフェイの気持ちに呼応するかの様に、二体の化身は同時に拳を突きだす。
 突きだされた拳はフェンリ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ