第一章 ハジマリ
第16話 VSジャッジメント――消滅
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響く。
『ど、どうしたのでしょう!? カオス選手を含めたジャッジメントのメンバーが次々に倒れていきますっ!! これでは、試合が続行出来ないぞっ!?』
「何……!? どうしたの!?」
突然の事に、天馬もフェイも動揺の色を隠せないでいる。
試合も止まり、実況者であるはずの彼女さえも、オロオロとフィールド内を見回す事しか出来ない。
「! 天馬、カオスの身体が……ッ」
「え……。……なっ……?!」
震える声でそう告げるフェイの視線の先に、天馬は目をやる。
そこには、色の影響なのか、腕の半分が溶けかかり、苦しそうな顔をするカオスが倒れていた。
「腕が……っ」
「カオスだけじゃ無い……他のジャッジメントの選手達もだよ……」
そう、比較的冷静なアステリに言われ、天馬は後ろで倒れているメンバー達の方に視線を移す。
すると、彼の言う通り。ある者は腕が、そしてある者は足が……
カオスと同じ様に溶け、黒いヘドロへと変貌していた。
「これも……色のせい……なの?」
目の前で起こった異様すぎる光景に、天馬はそう言葉を零した。
その言葉にアステリはコクリと頷くと、口を開く。
「いくら特別とは言え、色の長期接触、力の過激使用……限界が来たんだよ」
「限界……って……」
「このまま彼がこの世界に居続けたら、確実にその身体は消滅する」
アステリの話に、天馬とフェイは絶句した。
――消滅……
話には聞いていたその現象について、天馬もフェイも冗談半分に聞いていた。
体調が悪くなっていたのも、力が弱まっていたのも事実。
だったら"消滅"と言う言葉も、真実であるはずなのに。
天馬とフェイは先ほどまで信じられずにいた。
だけど、今自分達の目に映っている現状がそれを『本当の事』なんだと訴えている。
「どうする? 今はまだ部分的な消滅しか起きていないから……モノクロ世界に行けば……外的な消滅だったらすぐに再生する事が出来る。それとも。自分の身体を犠牲にして、ボク達を潰しにかかる?」
「くっ……ッ」
そう、自分を見下す様に見るアステリの顔を悔しそうな……恨めしそうな瞳で睨み付けると、一呼吸置いて、カオスは「仕方無い」と声を発した。
「力を得る為には他の物を犠牲にしなければならないが……不便な身体だ。こんなの、僕らしくないが…………今回は一時、退散しよう」
「試合の勝敗は君達で好きにしてくれ」と吐き捨てると、カオスは一瞬の内にその姿を消した。
ジャッジメントの他メンバーも同じ様で、後ろを向いてもそこにはもう誰もいなかった。
「消えた……」
「モノクロ世界に帰ったんだよ……一旦帰ってしまえば、溶けた身体も元に戻るからね……」
『ジャッジメン
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