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色を無くしたこの世界で
第一章 ハジマリ
第16話 VSジャッジメント――消滅
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ルの動きを封じるだけでは無く、その身体をボールごとフィールドの外へと吹き飛ばした。

「ぐぅっ!?」
「やった!」
「よしっ!」
『息のあった二体の化身を前に、さすがのカオス選手のソウルも歯が立たず!! ボールごと、ピッチの外へと吹き飛ばされたぁー!!』

 そう叫ぶアルの声を聞きながら、ソウルが解けたカオスは立ち上がる。
 目の前には激しい衝突の末、黒く傷ついたサッカーボールが転がっている。

――この僕が、二度もあんな奴等に負けた……!?

 信じたく無い現実がカオスを襲う。
 それと同時に、先ほどから自身を襲う胸の痛みが……より一層強くなるのを感じた。
 まるで心臓を握りしめられている様な、重く……耐えようの無い苦痛に顔を歪ませる。

――まだ、まだだ……
――試合はまだ終わっていない……
――僕が負ける……? そんな事は、絶対にありえない。
――いや、ありえてはいけないんだ。
――今のはきっと、何かの間違い。
――そう、何かの間違いだ。
――間違い……。

――間違いなら……そうだ。
――正さなければ

 そう、頭の中で言葉が巡る。
 胸の痛みもどんどん酷くなる。
 胸だけでは無い。頭もだ。
 様々な部位が、重く、響く様に痛み出す。
 それは、カオスだけでは無い。
 カオスの分身であるジャッジメントのメンバー全員が、その痛みに顔を歪ませていた。

――痛い。

『さぁ、カオス選手のスローインで試合再開です!! 後半戦もまだ始まったばかり! ジャッジメント、追いつけるのかっ!?』

 アルの元気な言葉が、声が、カオスとジャッジメントメンバーの痛む頭に突き刺さる。

――五月蠅い。

 カオスは痛む身体を引きずる様に一歩ずつ歩いて行くと、目の前で転がるボールを掴み、勢いよく振り上げ、目の前で待つ自らの分身に向かって投げ込む。
 ハズだった。








「――――――ぇ…………ッ」

 突如。カオスの鼓膜に何かが破裂した様な音が突き刺さった。
 どこかで何かが壊れたのかと周囲を見回す。
 だが、その考えはすぐに誤りだと悟った。

 突然訪れた破裂音は、カオスの身体の中から発せられたのだ。

 それを理解したのと同時に身体中から力が抜ける。
 自らの意志とは反して、身体は前方に倒れ、地面に叩きつけられる。
 倒れた彼を押しつぶすかの様な、強い圧迫感が体を襲う。

――一体……何が…………ッ!?

 混乱する頭の中、唯一動かす事の出来る瞳で辺りの状況をうかがい知る。
 フィールドには、次々と地面に倒れていくジャッジメントの選手達と、それを見て動揺するテンマーズの姿があった。
 続いて、驚いた様子のアルの声がスタジアム中に
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