第一章 ハジマリ
第15話 VSジャッジメント――狂気のソウル
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その文字が、カオスの瞳に嫌でも映り込む。
「2-1……僕達が、負けている……っ!?」
「あり得ない」……そう言いたげにカオスは俯くとギリッと歯を噛み締める。
不意にズキッと痛み出す左胸を抑え、天馬達の方に視線を移す。
――僕はカオス。
――イレギュラーの中でも特殊な、選ばれた人材。
――なのに、あんな普通の人間に負けているなんて……
ズキズキと胸の痛みが酷くなる。
それと同時に、怒りも恨みも根強くなる。
「許さない……この僕が負けるなんて……。そんな結末、あってはならないっ……!!」
その痛みが、思いが、自らの分身であるジャッジメントのメンバー全員にも伝染して行く。
そんなカオス達の事なんてつゆ知らず。シュートを決めたアステリは「ふぅ……」と安堵の息を吐きだして、嬉しそうに顔をほころばせていた。
と、後ろから自分の名前を呼ぶ天馬とフェイの声が聞こえ、振り返る。
「天馬、フェイっ!」
「やったな、アステリ! さっきのシュート、凄かったよっ!!」
「本当ビックリしたよ! あんな凄いシュートを隠し持ってたなんて!」
「えへへ……ここまでボールを繋げてくれた、皆のおかげだよ」
興奮した様子の二人からそう言われ、アステリは照れ笑いを浮かべる。
その顔はどこか誇らし気で、幸せそうな笑顔だった。
「さぁ! 相手も疲れてる! この調子でドンドン攻めて行こうっ!」
「あぁ!」
「うん!」
天馬の言葉に、テンマーズの士気が再び高まるのを感じた。
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