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色を無くしたこの世界で
第一章 ハジマリ
第15話 VSジャッジメント――狂気のソウル
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せない……っ! 絶対に止めるんだぁっ!!》
《馬鹿な……っ!?》
《はぁぁぁぁぁっ!!》

 ペガサスは最後に大きくいななくと、体当たりでフェンリルを跳ね飛ばした。
 跳ね飛ばされたフェンリルはカオスの姿へと戻り、地面を転がっていく。
 直後、ペガサスは大きく翼を広げ、空を駆けるように飛び出していった。

『激しいソウル同士の戦いの末、勝ったのは松風選手だぁ!!』
「くそっ……!!」
「さすが天馬っ!!」

 元の姿へ戻ったカオスはそう、悔しそうに眉をひそめた。
 そんな彼とは裏腹に、フェイは嬉しそうな声を上げる。

『松風選手! 美しくジャッジメントの選手達の頭上をを駆け抜けて行く! そしてそのまま、前線へとボールをつなげていきます!』
「アステリっ!!」

 ジャッジメント陣内、ゴール前。
 ソウルを解除した天馬は、前線を走るアステリへとパスを繋げる。
 アステリはパスを受け取ると、真っすぐにゴールキーパーのアビスを見据える。

『松風選手からパスを受け取ったアステリ選手! ゴールキーパーと一対一だぁー!!』
「愚かな……まだ、我等に逆らうつもりか! この裏切り者が!!」
「ボクは裏切ってなんかいないっ! ボクは、ボクが正しいと思う道を走るだけだっ!!」

 憎しみの混じった瞳で睨み付けるアビスに、そう強い言葉で言い放つと、アステリはボールと共に天高く飛び跳ねる。

――ボクを仲間だと言ってくれた天馬やフェイの為。
――彼等が必死に繋げてくれた、このボールだけは……

「絶対に、決めてみせるっ!!」
『アステリ選手! これはシュート体勢だ!!』

 蹴り上げたボールは天高くで、星屑の混じったオーラを吸収し、一つの大きな星の様な輝きを発する。

「スターダスト……! いけぇぇっ!!」

 銀色の輝きを発していたボールはアステリに蹴り落とされると、数百の粒子の光線へと姿を変え、ゴール目掛け突き進んでいく。

「あれがアステリの必殺技!」
「止めるっ! ゴッドハンドXッ!!」

 アビスは前半同様、赤いイナズマを纏った巨大な手を出現させ、アステリ渾身のシュートを抑え込む。
 が。

「――――!! ぐぅっっ……っ!!」

 直後、アビスの顔が苦痛に歪む。
 すると、今までアステリのシュートを抑えていた赤い手がコナゴナに砕け、消え去ってしまう。
 自らを抑える壁が無くなったシュートは、そのままの勢いでアビスの脇をすり抜け、ゴールネットへ勢いよく突き刺さった。

『ゴォォォォルッ!! アステリ選手の必殺技、《スターダスト》が《ゴッドハンドX》を玉砕!! テンマーズ、ついに追い抜いたぁぁぁー!!』

 アルの声と共に、スコアボードに2-1の文字が刻まれる。

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