第一章 ハジマリ
第11話 VSジャッジメント――覚醒するソウル
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…っ
焦りの色を見せる天馬に、目の前で彼の行く手を阻む男が話しかけてきた。
「松風天馬」
「!」
「お気づきですか……? アナタ方のチームの"弱点"」
「弱点……?」
突然何を言い出すのかと思っていると、男は「えぇ」と暗い口調で続ける。
「アナタのチームのほとんどは、あの兎の少年の分身でなりたっている。分身自体は対した力は持っていないので、アナタと兎の少年さえ抑えてしまえば無力も同然。あの裏切り者に関しては例外も良い所。いくら基礎が出来ていても、技を持っていなければ話にならない」
そう語る男は、光の入っていない瞳で天馬を捕らえると「そうでしょ?」と不気味な笑みを浮かべた。
そんな彼を強い眼差し睨みつけると、天馬は「違う」とハッキリ口にした。
天馬の発言が意外だったのか、そもそも反論してくるとは思っていなかったのか、彼ともう一人の選手が目を丸くして天馬の方を見る。
「そんなの全然弱点なんかじゃない! デュプリ達だってアステリだって、皆それぞれの強さを持ってるんだ! 技がなくたって、化身が使えなくたって関係無い! 最後まで諦めないで食らい付いて行くのが、俺達の強さだ!」
天馬の言葉に圧倒されたのか、二人は押し黙ってしまった。
瞬間、アレほど徹底していたマークにも隙が生まれる。
その隙を天馬は見逃さなかった。
(今だっ……!)
「!?」
二人の間を走り抜け、カオスの元へと急ぐ。
『松風選手! ジャッジメントの二人がかりのディフェンスから脱出! カオス選手の元へと走っていきます!』
「へぇ……ファントムとリグレットのマークから逃げれたのか……でも、少し遅かったね」
「!!」
すでにゴール前まで来ていたカオスはそう笑うと、シュート体勢に入ろうとする。
全速力で走ってもこの距離では間に会いそうもない。
DFのデュプリ達もカオスによって倒され、ゴールキーパーと一対一の状況。
――マズイッ……このままじゃ…っ
「そんな事……させないっ…!!」
苦しそうな声と共にカオスの目の前に現れたのは……
「! アステリ!」
その声にカオスは呆れた様に「また君か」と呟くと、機嫌が悪そうにアステリを睨みつける。
「いくら何でも往生際が悪すぎない? いい加減諦めて負けを認めてよ」
「ボクも……天馬達の仲間なんだ。だから、絶対諦めない」
アステリはそう、強い口調で言い放つ。
それに対し、カオスの表情がどんどん険しくなって行く。
「へぇ……じゃあ、見せてもらおうかな。君達の“強さ”ってヤツ!!」
そう叫ぶとカオスは再び天高く飛び上がり、周囲に赤黒いオーラを発生させる。
オーラを吸収したボールは歪に膨れ上がり変形す
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