第一章 ハジマリ
第10話 VSジャッジメント――試合開始
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へと走り出す。
「フフッ……」
「……?!」
瞬間、天馬のすぐ横を笑みを浮かべたカオスが通り過ぎた。
それも、凄まじいスピードで。
カオスに気を取られた、その時。
「はぁぁぁぁ!」
「! っあっ?!」
ほんの一瞬の出来事だった。
ボールから目を離した、その瞬間を狙ったかの様に繰り出されたスライディングに足を取られ、天馬は勢いよく地面に倒れてしまう。
「! 天馬!」
『デルタ選手、強力なスライディングで松風選手からボールを奪った! そのまま前線へと上がっていきます!』
スタジアムに響いた実況の声にハッとして後ろを見る。
すると、先ほど自分からボールを奪った男がドリブルでゴールに向かって走っているのが見えた。
――しまった……っ
天馬の中で焦りが生まれる。
すぐさま立ち上がり、守備に回る為走り出す。
デルタと呼ばれた男はデュプリ達のディフェンスを次々に交わすと、ゴール前へとパスを出す。
パスを出した、その先にいたのは――
「っ……! カオスっ!」
『カオス選手、ゴールキーパーと一対一だぁ!! これはテンマーズ、大ピンチ!』
「見せてあげるね。僕のシュートを……」
ボールを持ったカオスは天高く飛び上がると、周囲に赤黒いオーラを発動させる。
ボールは、カオスから発せられたオーラを吸収し、歪に膨らんでいく。
「! マズイっ……!」
「!? アステリ!?」
瞬間、アステリがゴール前まで走っていく。
その間にもボールは膨らみ続け、ついにはボコボコと変形し始めた。
変形したボールを前にシュート体勢へと入ったカオスは、何やら呪文の様なモノを唱え始める。
「神に抗いし者よ、死をもってその罪を償え! インフェルノ!!」
そう叫ぶとパンパンに膨れ上がったボールを蹴り落とす。
カオスの蹴りによって破裂したボールは、溜めていたオーラを一気に吐きだすと、キーパーのマッチョスに向かって降り注ぐ。
『カオス選手、必殺技を発動!! 凶悪な光線と化したシュートがマッチョス選手へと突き進んでいきます!!』
「入れさせないっ!」
「!」
『おっと!? アステリ選手、なんとゴール前まで戻ってきていた!! まさか、あの凶悪なシュートを止めるつもりなのかぁ!?』
アステリは意を決して飛び上がると、その身体で光線と化したカオスのシュートを受け止めた。
シュートはアステリの身体にぶち当たると、一瞬は動きを止めた様に見えた。
が。
「っっ……!! っ……うわぁっ!?」
「! アステリ!」
キーパーでも無い丸腰の人間が止められるはずも無く、アステリは黒い光線と化したシュートに吹き飛ばされ勢い良く地面に叩きつけられた。
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