第一章 鉄仮面の彦星
第11話 紅き一蹴、紅き一閃
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「はあっ!」
エチレングリコール怪人は、両腕から無数の毒液を放ち、牽制を試みる。二人はそれを巧みにかわし、コンピュータの物影に飛び込んだ。
「あの毒液、まともに浴びれば痛いじゃ済まされないようだ」
「俺が注意を引きます。あなたはその隙に!」
サダトの変身するAPソルジャーは、物影から飛び出すと、勢いよく怪人の傍を駆け抜け、すれ違い様に斬り付けていった。
「ちぃ、量産型風情が小癪なっ!」
その隙を、吾郎の変身する仮面ライダーGが狙う。
「――そこだ!」
一気に物影から飛び出し、APソルジャーに気を取られて背を向けていたエチレングリコール怪人の背後を、ソムリエナイフを模した剣で切り付けた。
「ぐはぁっ!?」
背後からの攻撃に、怪人は思わぬダメージを受け、後ずさる。
「もらった!」
そこへ追い撃ちを仕掛けようと、APソルジャーはAPナイフを構え、一気に怪人に襲い掛かる。だが、いつまでも同じ手を食う相手ではない。
「貴様――生かしてはおかん!」
その瞬間、APソルジャーの首がエチレングリコール怪人に掴み上げられてしまった。
「ぐあっ!?」
「忘れるな…私が本気で戦えば、貴様など数分も生きられないという事をな!」
APソルジャーを締め上げる音が、徐々に強くなっていく。
「ぐ、あ、ああ……!」
「――させん!」
そこへ、Gの剣が閃いた。切っ先が怪人の腕に届くと、そこから火花が飛び散る。
「ぐわぁっ!」
手の先にほとばしる痛みに、エチレングリコール怪人は思わず手を離してしまう。そこへ、APソルジャーが再び斬り掛かった。
「らあああッ!」
力の限り、APナイフを振るい続ける。どんなに疲れたって、傷付いたって構わない。自分の体の事なんて、奴を倒してから考えればいい。
全ては、終わってからでいい。
その思いが、ひたすらAPソルジャーを戦いへと駆り出していた。しかし、その思いとは裏腹に、彼の攻撃はさほど怪人には通じてはいないようだった。
「貴様の攻撃など――無駄だと何故わからないか!」
何度目だろうか。APソルジャーは、またしても強烈に吹っ飛ばされてしまう。
「うわぁッ!」
量産型の域を出ないAPソルジャーの火力では、決定打に至らない。戦況からそう判断した吾郎は、サダトが持たなくなる前に手を打つべきと行動を起こす。
「ならば受け取ってもらおう。僕の――悪と正義のマリアージュを!」
悪の体と、正義の心。
その融合から生まれる必殺の一撃を放たんと、Gは自らのバックルに収められたワインボトルの近くにあるパーツを押し込んだ。
すると、そこからパワーソースが胸のGの意匠へと
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