第一章 鉄仮面の彦星
第11話 紅き一蹴、紅き一閃
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充填され、更に左足のエネルギーラインへと繋がっていく。
ふと、彼の脳裏に、7年前の戦いの際に応援に駆け付けた、10人の戦士達の激励が蘇る。
『この世界を守れるのは――君だけだ』
『立ち上がれ!』
『愛の為に、戦うライダー!』
『G!』
(――そうだ。僕は戦わなければならない。例え孤独でも、命ある限り、愛がある限り戦い続ける。それがきっと、「仮面ライダー」だから)
そして、彼の左足にワインボトルから解き放たれたエネルギーが凝縮された。
狙うは――眼前の敵。
「まさかッ……ええぃ!」
Gが仕掛けようとしている事に感づいたエチレングリコール怪人は、退避を始めた。だが、その行く手をAPソルジャーが阻む。
APナイフの攻撃が、怪人の動きを止めていたのだ。
「ちぃ! 貴様、何度打ちのめされれば気が済むと――!」
「いつまで経っても済まないさ、あんたに勝つまではな!」
「ぬかせぇっ!」
息の根を止めようと、怪人は腕を突き出す。
「らあぁ――ああああっ!」
しかし、間一髪それをかわしたAPソルジャーは――ワインボトルのパーツを押し込み、Gに続くようにベルトのエネルギーを、上半身を通じて右腕に充填させていく。
(今の一発をかわした!? この小僧、戦いの中でここまで成長してッ――!)
その渾身の力を込めた右手には――逆手に握られた一振りの剣。
『FINISHER! EVIL AND JUSTICE OF MARRIAGE!』
「スワリング――ライダービート!」
紅い電光を放つAPナイフを翳した彼は、遠心力を乗せるように体を回転させながら――水平に一閃。脇腹についた微かな傷跡を、その斬撃でメスのように切り開く。
「がはっ――!? ば、馬鹿な!」
たかが量産型。そう見くびっていた者の、戦士としての末路だった。そして何かを思い出したように、エチレングリコール怪人は背後を振り返る。
――そう、そこには正に今、必殺技を放とうとする仮面ライダーGの姿があったのだ。
「やっ――やめろォォオ!」
「スワリング――ライダーキック!」
円錐状に展開された真紅のエネルギーを纏い、Gの飛び蹴りが空を切り裂く。
エチレングリコール怪人は、せめてもの抵抗に、そこへ向かってありったけの毒液を放つ。
だが、円錐状のエネルギーは全くそれを通さない。
「うおおおおォォォォオッ!」
「がァあああッ!」
Gの雄叫びと怪人の悲鳴がこだますると、研究所に激震が走った。スワリングライダーキックが――Gの一撃が、完全に決まったのだ。
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