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仮面ライダーAP
第一章 鉄仮面の彦星
第8話 たった独りでも
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 彼らはそばにいるGに泣き縋り、元に戻してくれと、涙ながらに懇願する。

 しかし、Gにそんな力がある筈がなく、シェードの科学力を以てしても、改造人間を人間に戻す事など不可能だろう。
 Gとしてはどうにか彼らの心を救いたかった。しかし、彼にはどうすることも出来ない。それが現実である。

 彼は唯一の希望であるアウラの方に目を向けるが――彼女は膝を着いて俯いたまま、動かない。どうやら、APソルジャーの中に知人がいたらしく、ショックに打ちひしがれているようだった。

(彼女が持ち直してくれる時を、待つしかないな……ん?)

 ふと、Gの目にある光景が留まる。
 5人の中で唯一、叫ぶことも嘆くこともしない者がいたのだ。

 彼は悲しみを表に出さず、自らの胸に閉じ込めているようだった。

 そう――かつての自分のように。



 その人物――南雲サダトは、自分の身に起きた現実を享受したまま、アウラの方を静かに見つめていた。

「……」

「あっ――な、南雲、様……」

 その眼差しを感じてか、アウラは思わず顔を上げ――不安げな表情のまま、想い人と視線を交わす。

「……あはは、助けに来てくれたのか? たくもう、家から出るなって言ったのに。まぁでも――ありがとう」
「え……? な、なぜお怒りにならないのですか。わ、私は、あなたを巻き込んで……!」

 そして、改造された後とは思えないほど相変わらずな笑顔を向けられた彼女は――今にも泣き出しそうな面持ちのまま、自分の罪深さを訴える。

「前にも言っただろ? ――正しい人を責めたくは、ない。体が変わったって、俺の心は、変わらないよ」
「……!」

 だが。
 それでも彼は、赦していた。どれほどアウラが自罰を下そうとしても。己を卑下しても。彼はその全てを受け止め、受け入れてしまう。

「あ、ぁあぁあっ……なぐ――サダト、様ぁあぁあ……!」
「――よく頑張ったよ、アウラ」

 もはや――彼女の心に、逃げ道はない。彼の優しさに、身と心を委ね――少女はその胸に飛び込み、幼子のように啜り泣く。
 そんな彼ら2人を、Gの複眼が穏やかに見守っていた。




「アウラ。早速で悪いんだけど、彼らを元の人間に戻してあげて欲しい。彼らはただ操られていただけだし、今すぐ戻せば何事もなく復帰できる」
「はい。では、まずはあなたから――」
「――いや、俺は一番最後でいい」
「えっ……」

 アウラは早速、サダトを生身の人間に戻そうと、その逞しい胸板に手を当てる。だが、彼女の白い手が緑色の優しげな光を放つ瞬間。
 サダトは彼女の手を掴み、その光を止めてしまった。待ち望んだ瞬間を止められ、アウラは上目遣いでサダトを見遣る。

「この
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