第一章 鉄仮面の彦星
第7話 目覚める魂
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は己の剣を振りかざし、孤高の裏切り者に群がっていく。
「ちッ……!」
Gも懸命に剣で応戦する。戦闘経験においても改造人間としての性能においても、GはAPソルジャーより遥かに優れているだろう。
だが、1対5という構図になると、それだけでどちらが勝つかを明瞭にすることは難しい。
APナイフは、Gの剣よりリーチは短く、刃の硬度も劣る。しかし、5人という数は、そのスペックの差を大きくカバーしていたのだった。
「……食前酒でこの強さとは、恐れ入る」
量産された模造品とはいえ、そのモデルは長きに渡りシェードを苦しめて来た仮面ライダーG。一体一体が、オリジナルに及ばずながらもそれなりの性能を持っている事には違いない。
次から次へと襲い来るAPナイフの強襲。
ひたすらそれを払いのけ、Gは防戦一方となっていた。
「……ぐッ!」
そして、Gの防御をかい潜ったAPソルジャーの一撃が、裏切り者を遂に吹っ飛ばしてしまった。
「ああっ!」
Gのやられる姿を前に、アウラは思わず声を上げてしまう。
地面に転がるGの体。
「く……!」
思わぬ強敵に追い詰められ、彼は短く苦悶の声を漏らす。
「これほど、だとはな……!」
じりじりと自らのオリジナルに詰め寄ってくるAPソルジャー達。
彼らの手にあるAPナイフの刀身が、ひび割れた天井から差し込む太陽の光で、妖しく輝く。
とどめを刺してやる。その輝きが、そう叫んでいるようだった。
やがて、五人衆は足元に倒れているGを包囲する。Gが見上げれば、そこには自分を見下ろす、自分とよく似た五つの顔があった。
口を利かなくても解る。彼らが洗脳され、感情を閉ざされているということが。
かつての自分自身が、そうだったように……。
やがて、APソルジャー達は一斉に自らの持つ剣を振り上げる。これが、仮面ライダーGの最後。
そう確信した悪の尖兵達が、刃を振り下ろす――瞬間。
「南雲……様ッ!」
甲高い叫びが、廃墟一帯に響き渡る。その叫び声に、振りかざされたAPナイフを持つ手が――動きを変えた。
「……!?」
Gはその叫びと自分の目に映る光景に、思わず言葉を失った。7年間戦ってきて、初めて見た光景だからだ。
――APソルジャーの1人が。振り下ろされた4本の剣を1人で受け止め、Gを守っているのだ。洗脳されているはずの改造人間が、少女の声一つで――自我を取り戻したというのか。
他のAPソルジャー達も、想定外なイレギュラーの出現に驚いた様子であり、G共々硬直していた。
「ア、ウ……ラ……」
その反逆した1人の兵士は。譫言のように少女の名を呼びながら、APナイフの刀身を震わせ
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