暁 〜小説投稿サイト〜
『チロの物語』
『御飯』

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僕は幸せな日が
続いていた。
成長もしたよ。
体も大きくなった。

でも、1匹の猫が
妊娠した事で
此処の雰囲気が
少し変わってった。

ピリピリしてる
お母さん猫。
此処に居れば
ノラよりはゴハンに
ありつける。

でも、流那チャンが
特別にくれるだけ。
此処のゴハンは
基本的に取り合い。
おじぃちゃんが
1日1回外に撒いて
それを食べる。

釣りたての魚や
調理後の頭や骨。
たまにお肉も
あるんだけど...
たまに野菜や
食べれない物も。

人間からすれば
猫は下だから
要らない物を
与えてるだけ。

解ってるよ。
でも、それでも
やっぱり
悔しくなる。
僕は間違ってる。

流那チャンが
僕の為だけに
ゴハンをくれたから。
それが普通だって
思い込んでた。

違うんだ。
飼われてない。
ノラだから。
要らない物を
与えてるだけで
全然おかしくない。

でも、僕は
あのお母さん猫に
まともな物を
食べさしたい。

流那チャンが僕に
特別にくれるゴハン
流那チャンに内緒で
お母さん猫に
あげちゃった。

お母さん猫は
すごく
美味しそうに
頬ばってたよ。

流那チャンごめん...
でも、流那チャン
僕が食べてないの
気付いてるね。



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