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東方叶夢録
幻想郷について
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ラッと見てすぐに視線を外す感じの視線を人里中から感じた。

「慧音さーん」
「ん?文か」
叶夢と別れた後すぐに新聞記者の天狗が訪れた。
「どうぞ、夕刊になります」
「ありがとう」
「今回は新たな外来人の方について特集してるので興味があれば博麗神社へどうぞ。それでは!」
そう言って飛び去った。
「博麗神社…?」
慧音は叶夢が人里に住んでいるものと思っていたので何故博麗神社に行くのかが分からなかった。そして記事を読んで初めて知るのだった。

「うーん…」
叶夢は帰りながら悩んでいた。慧音に行くなと言われたところについてだ。慧音には言ってなかったが自分には謎の危機回避能力があるのだ。ならば行っても大丈夫ではないかと。
「霊夢さんに相談ですかねぇ」
そう思いつつ彼は夕焼けが落ちる森の中を歩いていった。

「ただいま戻りましたー」
「おかえりー」
「おかえりー」
「おかえりー」
「え?」
三度返事が返ってきたことに叶夢は驚く。ここには霊夢しか住んでいないはずだが。1人は霊夢の声だったがもう2人は分からなかった。
居間に入るとそこには霊夢の他に2人の人影があった。
1人はややメルヘンな衣装に身を包み全体的に白黒の少女。
もう1人は小さな体に大きな角を生やした少女。
「あ、前話した…伊吹萃香、ですよね」
「お、覚えてるとは感心だね。邪魔してるよ」
以前と同じように気さくに話しかけてきた。前と同じように手に持った紐のついた瓢箪を口に傾けている。鬼である彼女に酒を飲むのに時間も場所も関係ないのだ。
「んじゃ私は覚えてるかー?」
次に白黒の少女。が、叶夢はこの時彼女が何者かを知らなかった。
「えっと、すいません…」
「ありゃ残念。まあそんなに話してないし仕方ないか。私は霧雨魔理沙だ。よろしくな」
あまり残念そうな素振りは見せずニカッと笑いながら握手を求めてくる。
「冬宮叶夢です。よろしく、魔理沙さん」
握手に応じ自己紹介を返す。この時叶夢は幻想郷にいくらか慣れて名前で呼ぶようになっていた。
「ふむ……」
が、何故か魔理沙が握手した手を離さない。そのまま指や手をにぎにぎと弄っている。
「えーと、どうしました?」
「ああすまん、男の手を握ったのなんて久々でな。こーりんともまた違う感触なんだなと思ってたんだ」
そう言って魔理沙は手を離した。叶夢も少女と手をつなぐ事は数える程しかなかったので魔理沙の手の感触は新鮮なものであった。
「なーにいちゃついてんのよ」
ここで今まで黙っていた霊夢がつっこんできた。
「スキンシップは悪いことじゃないぜ?それに叶夢も別に悪い気分じゃないだろ?」
「まあ、そうですけど」
実際悪くないどころか嬉しいとも思っていた叶夢だったがそのまま言うのも恥ずかしいので濁すことにし
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