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Blue Rose
第二十七話 新しい学校その七

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「あいつを見捨てることは」
「選ばなかったわね」
「友達ですから」
 だからこそ、というのだ。
「しなかったです」
「私もよ」
「あいつのお姉さんだからですね」
「その選択肢を選んだのよ」 
 優花の傍にいることをというのだ。
「一緒にね」
「そうなんですね」
「そうだったのよ」
「二人共同じですね」
「若し逃げていたら」
 遠い目になりだ、優子はその選択肢を選んだ場合のことに言及した。
「楽だったわね、けれどね」
「いい選択肢じゃないですね」
「人を見捨てる人は駄目よ」
 それだけでというのだ。
「人間としてね」
「そうですね、人間として」
「それはやったらいけないわ」
 絶対にというのだ。
「その時はいいかも知れないけれど
「後で自分に降りかかっても当然ですね」
「それにね」
 しかもというのだ。
「そうした人は信じられるかしら」
「人を裏切る奴は」
「信じられないわね」
「自分も裏切られるかも知れないと思うと」
「そうでしょ、人は見ているのよ」
 まさにというのだ。
「裏切る人はね」
「見られているんですね」
「人を裏切るその姿をね」
「だから信用されないんですね」
「そうよ」
 まさにととだ、優子は龍馬に言った。
「だからね」
「人を裏切らないことですか」
「そもそもそんなことをして自分を許せるかしら」
「俺自身を、ですか」
「優花を裏切ったとするわ」
 自分自身にも問うていた、そのうえで龍馬に問うた。
「それをした自分を許せるかしら」
「そう言われますと」
「許せないわよね」
「はい、とても」
 龍馬も自分に問うた、そのうえでの言葉だった。
「自分がこの世で一番嫌いになります」
「そうなるわ、私にしてもね」
「本当に人を裏切ったらいいことはないですね」
「考えれば考える程そうよね」
「俺、優花を裏切らないです」
「私もよ、迷って逃げたくもなったけれど」
 またこの頃のことを言った、優子にとっては辛く苦しい時だった。だからこそ酒に溺れかけてもいたのだ。
「決めたから」
「そうですよね」
「ずっと優花を支えて、助けていこうって」
「お姉さんだからですね」
「ずっと優花と一緒にいたから」
 その姉としてだ。
「絆はあるわ、その絆に従ったのよ」
「そうですね、俺もでした」
「お友達だから」
「優花の傍にいます」
「それでいいのよ、優花はいい友達を持ったわ」
 まさにというのだ。
「本当にね」
「俺を、ですか」
「ええ、誰よりもね」
 それこそというのだ。
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