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ドリトル先生の名監督
第八幕その一
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                 第八幕  練習試合の準備
 王子は先生のお家で先生ご自身から練習試合のことを聞いてです、そのうえでこんなことを言ったのでした。
「そうなんだね」
「うん、練習試合をすることになってね」
「先生も出るんだね」
「僕は何もしないよ」
 先生は王子に答えました、王子と一緒にちゃぶ台を囲んでこぶ茶を飲みながら。
「見ているけれどね」
「監督なんだね」
「そう、その立場でね」
「褌着けて土俵にあがらないんだね」
「だからそういうことはね」
 実際にスポーツをするかといいますと。
「しないよ」
「やっぱりそうなんだね」
「スポーツはね」
 それ自体がというのです。
「しないからね」
「うん、先生は観戦専門だね」
「苦手だからね」
 とにかくスポーツは苦手な先生なのです。
「しないんだ、どんなスポーツでもね」
「そうだよね」
「だから監督はしても」
 それでもというのです。
「土俵には上がらないしね」
「褌も着けないんだね」
「そうだよ」
「じゃあスーツのままだね」
「それで練習試合の監督をするんだ」
「わかったよ、じゃあ頑張ってね」
 王子はここまで聞いて先生に笑顔で言いました、ですが。
 ここで、です。先生にです。
 王子はふとです、先生にこのことを聞きました。
「ただ、スポーツの時はジャージだけれど」
「いや、イギリスではスーツで監督する人もいるからね」
「ああ、チェアマンみたいに」
「グラウンドに入ったりね」
「だからいいんだね」
「そう、いいから」
 だからだというのです。
「僕はジャージは着ないよ、それに持ってないしね」
「先生ジャージ着たことないよね」
「そう、ないんだよ」
 スポーツをしないからです、本当に。
「一度もね」
「一着もね」
「そう、持っていないし着たこともないよ」
「そう言う人今は珍しいね」
 王子はここまで聞いて先生に言うのでした。
「ジャージを着たことがなくて持っていない人はね」
「そうだろうね、皆持っていてよく着るしね」
「普段着でも使えるからね、ジャージは」
「王子もスポーツの時はジャージだよね」
「そうだよ」
 その通りという返事でした。
「実は結構持ってるよ」
「何着もだね」
「ジャージ集めることも好きだしね」
「そうなんだね」
「うん、テニスもジョギングもするしね」
「王子はスポーツマンだからね」
 王子はスポーツも好きです、気持ちよく汗を流すことが。
「だからだね」
「そうなんだ、ただ贅沢はしていないよ」
「王室としてだね」
「そのことには気をつけているよ」
 ジャージを集めることもまた好きでもです。
「そうしたことにはね」
「それもいいことだね」
「うん
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