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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#5
PRIMAL ONEU 〜Either Side〜
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と戻る途中であった。
 帰りの道すがら、
巨竜が幼子を背に乗せて歩いているような光景を目の当たりにし、
心中は幾分穏やかではないが。 
 しかし己の役目に私情を挟むことを厳格な少女は赦さず、
気持ちを切り換えて自室への歩みを速めた瞬間。
「アァ〜♪ ヘカテーちゃ〜ん♪ こっち♪ こっち♪」
 若い女性の、陽気な声が自分を呼び止めた。
「……」
 その声の主。
「水着」 と呼ぶのも甚だ憚れる、
本当に躰の必要最低限の箇所しか覆っていない、
エンヤ以上の肌の露出。
 まるで古代アラビア大宮殿の美姫(びき)が、
幻術に拠ってそのまま書巻から抜け出してきたかのような、
可憐さと妖艶さを併せ持つ女性が
備え付けのソファーからこちらに手を振っていた。
 普段からあまり肌を露出しないように心がけているヘカテーとは
まるで対照的なスタイルだ。
「……」
 些事に捉われず、すぐに自室で仕事に取り掛かりたかったが
無視するのも何なので、ヘカテーは黙って白肌を惜しげもなく晒した
女性の傍へと歩み寄る。
 彼女の隣には、これまた浅黒い肌の美女が短いスカートの中で
その麗しい脚線美を組み、洗練された仕草で細い女性用煙草を(くゆ)らせていた。
「何か御用ですか? “ミドラー” さん」
 ヘカテーが冷然とした声で伝えると同時に
目の前の女性はまるで子供のように両手を組んで薄紫の瞳を輝かせた。
 そし、て。
「やぁぁぁぁ〜っと、「名前」覚えてくれたのねぇ〜♪
もぉ〜♪ カワイイィィ〜♪ ヘカテーちゃん♪
好き好き好き♪」
 そう言って、いきなりガバッと自分を抱き込んで懐に引き寄せる。
「あ、あの、ちょっと……」
 ミドラーと呼ばれた女性の、官能的なスタイル特有の滑らかさと温もり、
そして躰からふわりと立ち上る美香が加わり感覚的に不快さはなかったが
精神的にはかなり気恥ずかしい想いがある。
 なにより彼女の豊かな双丘が、
眼前で激しく行き交うので息苦しい。 
 しばらくはコケティッシュな美女のされるがままに両腕を動かしていた
ヘカテーだったが、やがてその繊細可憐な容貌からは想像もつかないほどの
練達の体技で両腕の拘束からスルリと抜けだす。
「アレ?」
 いま、両腕の中で確かに抱いていた宝物がいきなり消えてしまったので、
ミドラーはまるで白昼夢から醒めた猫のように瞳を瞬かせる。
 その左斜め後ろの位置で、彼女の胸元に届くかどうかの少女が
澄んだ声で告げた。
「親愛の情は嬉しいのですが、
あまり女性同士で身体的接触を試みるのは、
好ましくないと想います」
「もぉ〜♪ 相変わらずツレないなぁ〜♪ ハグよ♪ ハグ♪
ただの日常の挨拶じゃない♪」
 そう言ってミドラーは、子供ように無邪気な声で
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