暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#5
PRIMAL ONEU 〜Either Side〜
[4/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
がて、その独特の沈黙が醸し出す雰囲気に堪えられなくなったのか、
少女の方が口を開く。
「申し訳在りません。お兄様には、私の方からよく言っておきます」
「構わぬ。子守は昔よくやったのでな」
 顔色を窺うように紡がれた言葉へ応じる、
この世界最強クラスの 『スタンド使い』 の口調は
敵対者の抹殺を命じる時と全く変わらない。
 通常、余りにも圧倒的過ぎる能力(チカラ)、知性、美貌、
何れかを持ち合わせる者は、
己が意図するにしろしないにしろ態度が 「傲慢」 になり、
ソレは容易く虚栄や過信等の俗情に変わるものだが
そのスベテを持ち合わせる麗女にソレはなかった。
 事実部屋へ戻る途中、他の人間や徒、
最悪なコトにシュドナイやヘカテーとも擦れ違ったが
麗女は眉一つ顰めず素通りした(両者は各々驚愕の呈を示していたが)
 唯一DIOの寝所に向かう途中のヴァニラ・アイスにだけは、
道を開けて一礼する彼にうむと右手を挙げていたが。
 その己に対する揺るぎなき自信、他者の思惑など歯牙にもかけぬ気高さ。
 指先で煌めく、温かな色彩。
「……」
 同じ異能者として、そして一人の “女” として、
若き紅世の徒 “愛染他” の鼓動は高鳴った。 
(エンヤ……姉サマ……)
 ソレは、己の在るがままを行う徒の本能か?
或いはまったく別の感情からか?
胸を締め付ける憂いを呼び水としてティリエルの心中に溢れかえる想い。
(アナタの……御力になりたい……
エンヤ姉サマが笑って下さるなら……
私はこの躰も……存在も要りません……)
 麗女が(よそお) ってくれた爪を()に、
3人で過ごした今日までを胸に、
紅世の少女は偽りのない気持ちを誓った。





【2】


 天窓から降り注ぐ月明かりの通路を、零下に磨かれた透徹の少女が歩く。
 白い外套(マント)と大きな帽子、
そして至上の宝石のようにエメラルドがかった水色(すいしょく) の双眸。
 現代、否、歴代スベテの徒の中でも、
間違いなく五指に入る最強の “自在師”
紅世の王、その真名 “頂の座” ヘカテー。
 現在は数多くの同胞と共にDIOの許へ身を寄せてはいるが、
本来は紅世の徒によるこの世界最大の組織
仮面舞踏会(バルマスケ)』 の主柱足る存在である。
 その “大 御 巫(おおみかんなぎ)” の彼女が何故古巣を離れ、、
昔からの忠臣の如くDIOに従っているのかは、本人以外誰も知らない。
「……」
 夜も大分更けたが統世王の覇業を担う、
軍 旅(ぐんりょ)干 戈 其 ノ 第 拾 陸 期(かんかそのだいじゅうりくき)』がようやく完成した為、
その概要をDIOに進言した後、受けた所懐を元に加筆する為部屋へ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ