第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#5
PRIMAL ONEU 〜Either Side〜
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の前じゃ 『能力』 を
視せたがらないからって……」
「バカと天才は紙一重ね」
唖然とするミドラーの横で、マライアも呆れたように言う。
やがて。
惨憺たる有様となった二階一角。
部屋内部の薬品と化学変化を起こして
妙にカラフルになった水煙の向こう側から、
縊られた怪鳥の声が灰色のフキダシを伴って漏れ出した。
「コ……コレ……! コレ……ッ! コレ……ェェェッッ!!
くぉぉぉのぉ衝ォォォォ撃ィィィィィィィッッッッ!!!!」
断末魔の叫び、今生への哀別、何れとも絶対に違うナニカが
嫌が応にもそこにいる全ての者の耳に入った。
「くぉ……の……自在法……とも……宝具……とも……
まるで異なる、この 『能力』 ……!!
コレを正鵠に分析し、開発中の “自在式” に組み込めば……!!
フ……フフフフフ……ンンーーフフフフフフフ……!!!!
ェ……ェエークセレントゥー!! ェエーキサイティング!!』
瀕死の状態に在っても「決め台詞」だけは譲れないのか、
末尾のトーンが一際高くなる。
「くぉぉぉんな素敵な 『体 験』……!
滅多に出来るモンじゃあありません……!
コレを……次の……『実験』に活かせば……!
んーふふふふふ……! んぅーふふふふふふふ……!!
し……幸せ、ですねェー……!
この邸 に来て……良かった、ですねェー……!! 」
狂ってこそいるが死の間際に在っても微塵も揺るぎはしない、
その頑固一徹にして威風堂堂足る振る舞い。
今はもう知る者も少ないが、
嘗て “螺旋の風琴” と並び地上にまだ文明が存在しない、
遙か悠久の刻から(途轍もなく悪い意味で)異名を鳴り響き渡せる
久遠なる紅世の王 “探 耽 求 究” ダンタリオン(通称 『教授』 )
その永き時の渡りの中、一片の妥協も無きその生き様は、
周囲の惨状も相俟って妙に憐憫を誘った。
「ま……まだ……意識が……在る……内に……
一つ……でも……多くサンプルを……採集……しなけれ……ば……
ド……ドゥミィノォ……ドォ……ミィ……ノォォォォ……
ガクッ……」
律儀に「ガクッ」とわざわざ口にして、教授の声は事切れた。
恐らくはいま、ボロボロの研究室の真ん中で
ズタボロの姿のまま至福の笑みを浮かべ大の字になっているコトだろう。
「ダ、ダメね……アノ人……あの様子じゃ死なない限り、
なんでも研究の材料にしちゃうわよ」
「もうここまで来ると誉めるしかないわね。
あーゆー姿勢、 『スタンド使い』 として少しは見習うべきなのかしら」
呆れるべきか感心するべきなのかよく解らない(というより考えたくない)
心情を漏らす美女二人の先で、鋼
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