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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十七話 STAR T SABER《星と刃》
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いと、特別な相手を用意した」
「へっ?メンタル……?特別な、相手……?」
「あぁ、そいつとしっかり打ち合えるようになったら、お前も少しは緊張癖やらおどおどしてるのが治るかもしれねーと思ったのと、ちょうど指導にもいい相手だったからな、実はもうこの場に呼んである。まぁ、今日のところはとりあえずの顔合わせってとこだが……」
そろそろ来る頃だろ、とヴィータが言った、その時だった。
「おー!ヴィータ―!」
「お、来たな」
「(びくーん!!!!)」
それは高い少年の声だった。どこか片言で舌足らずの声にヴィータは笑って反応したが、その声を聞いたとたん、まるで驚いた猫のようにミウラの背筋がピーン!と伸びる。
「ま、まさか」
「おー!みうらー!!元気カ!?」
「せ、せせせ、セルジオくん……!?」
ミウラの後ろから走ってやってきたのは、男子の部でヴィヴィオ達がみた少し黒い肌を持つ少年、セルジオ・マルティネスである。その顔を見た途端、ミウラの顔が引き攣り、表情が恐怖で染まる。
「おー、元気そーだ、ナ!!」
「う、うんありがと……えっと、えっと……」
かれと顔を突き合わせる時間が長くなればなるほど、ミウラの目がぐるぐると回転する、混乱している証拠だ。
セルジオが一歩前に出るたびに、ミウラが一歩あとずさる。
「ン?どーしタ?」
「えっと……」
「元気ないカ?ミウラ」
「えっと……!」
ついにぐるぐるが最高潮に達し、ミウラは……逃げた。
「ご、ごめんなさいぃ!!」
「ン!?鬼ごっこカ!?まてぇみうらー!」
「わぁーーーー!こ、こないでぇ!!?」
何故かいきなり自分から悲鳴を上げて逃げ始めたミウラに、何をどう捉えたのかそれを鬼ごっこと認識して追いかけ始めるセルジオ。完全に子供同士の追いかけっこと化した空間が、そこにはあった。
「あー、やっぱしまだ無理か」
「ふっはは、いや、中々どうして、ウチのやんちゃ坊主も嫌われたものだ」
言いながら近づいてきたしわの目立つ顔の老人を見て、ザフィーラが
頭を下げた。
「サラス翁」
「お久しぶりです〜」
「うん」
やってきたのは、ミゲル・サラス。セルジオのコーチであり、同時にミッドチルダ最大のスポーツジム、イスマイル・スポーツジムの会長でもある、スポーツ指導の世界の大御所である。
「ったく、アタシらも参ってんだよ。あれ以来ミウラの上がり症とビビり癖が前にましてひどくなっちまって」
「それで、一度セルジオをもう一度ぶつけ、その恐怖を払拭しよう、というわけか。ヴィータ」
「その、つもりだったんだがなぁ」
困ったように後ろ手に頭を後ろ手に掻いたヴィータの視線の先には、未だに鬼ごっこを続ける二人の姿がある。
「まテまテーー!!」
「きゃーーーーー!!」
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