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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十七話 STAR T SABER《星と刃》
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勿論、クラナはともかく二人はヴィヴィオの努力を知っているし、そうやすやす手玉に取られるなどありえないとは思っている。
しかし果たして、これだけの力の持ち主たちとぶつかって彼らがどう戦うのか、一抹の不安が、双子の胸中には渦を巻いていた。

────

同じころ、高町家のリビングでは、選考会突破を祝うちょっとしたお茶会が開かれていた。メンバーはチビーズと、ライノ、そして珍しいことに、素直に席につくことを承諾したクラナである。

「みんな、予選開始はもう来週からなんだっけ?」
「あ、ども……そっすね、まぁ、俺はもうしばらくは待ちますけど」
そう聞いたのは、これまた珍しく休暇が取れて家に居たフェイトである。ティーポットから注がれる紅茶は彼女が手ずから入れたものだ。なのはがお祝い用に奮発して仕入れた茶葉を使っているので、立ち上る香りは豊かで、知り合いの関係もあって良いものの紅茶を飲むことが多い隠れ坊ちゃんのライノも満足する出来だった。

テーブルの上に乗るのは、赤青鮮やかなベリーの乗ったタルトと、クッキー、そして、なぜかビスケットで出来たお菓子の家である。
ちなみに、全てなのはとフェイトの手作りだ。どうして全力を尽くしたのか。

「ライノ先輩って、第一シードだからえーッと」
「エリートクラス、四回戦から……ですね」
「そういうこと〜。それまでは応援に徹するからな〜頑張れよチビども」
[これから試合である方々の前でシードに胡坐を掻いて上から目線ですか、全く救いがたい愚鈍さです。後で赤面することにならなければよいですねマスター]
「いやこれ単なる激励な!?上から目線とか誤解でごぜーますよウォーロックさん!?」
いつものやり取りをするウォーロックとライノに苦笑しながら、今度はフェイトと、隣にいたなのはがふんすと気合を入れた

「わたしたちも、うんと応援しちゃう!!」
「うん!みんなが試合の日には、なるべく会場に行けるようにするからね!!」
「「「ありがとうございます!!」」」
「うんっ!」
嬉しそうに返す女子たちを見て、ライノが唐突に色めき立った

「お、これ、俺らも期待して良いっすか!?」
「もちろん!」
「応援するよ!ライノ君も、クラナも!」
「よっしゃアガってきたぁ!!」
[何を鼻の下を伸ばしているんですか、そこまでして軽蔑されたいのですか、でしたらお望みどおりにしましょうかマスター]
「すいませんでしたぁ!!」
「…………」
自分の事を言われて、クラナのタルトを食べる手が止まる。
顔を上げるとライノの様子に楽しそうに笑う少女たちと、母たちの顔があった。

「私達も!」
「先輩たちのことも応援しに行きますね!!」
「うんっ!!」
リオとコロナに続いてくヴィヴィオとアインハルトがうなづく
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