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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十七話 STAR T SABER《星と刃》
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ラに、セルジオの言葉を補助するように、ミゲルが続けた。

「セルジオは、文明発達がそこまでではない管理世界で、儂がたまたま見つけた子でな。こいつの両親たちに儂が頼み込んで、親元を離れてこのミッドチルダまで来てもらったのだよ。だから、まだこの世界の常識には疎い。格闘技の才能はあるが、自然の中で生きてきた分、加減という言葉の意味もよく分かっとらなんだ。あの時のことは、儂もまだその辺りの事をしっかり理解しきれていないまま、此奴をリングに上げたために起こってしまったこと。本当に、すまなかったな、ミウラくん」
「い、いえ……」
あぁ、そうか。とミウラは思った。
この少年は、純粋すぎるのだ。どこまでも純粋でまっさらで素直だから、少しミウラとは価値観や他人への接し方が違う。考え方も……

「えっと、こっちこそ、ごめんなさい……ボク、あの時何が起きたのかも分からないまま負けちゃって、セルジオ君の事もよく分からないのに、勝手に苦手意識を持ったりして……あの、出来るなら今日は、よろしくお願いします!!」
「……うむ、ありがとう。こちらこそ、喜んで協力させてもらおう」
頭を下げて願い出たミウラに、ミゲルはどこか嬉しそうに笑う。一つ大きくうなづいて、彼はセルジオの背を軽く押した。

「セルジオ」
「ん?ミウラを手伝うのカ?」
「そうだ。彼女もそれを許してくれるそうだ」
「ん!わかっタ、手伝うゾ!何すれば良い!?」
勢いよくうなづいて尋ねてくるセルジオに気おされながら、ミウラはヴィータを見た。彼女は満足げに一つ相槌を打つと、ミウラとセルジオ双方を視界に入れながら答えた。

「お前らには今から、軽いスパーリングをしてもらう。でだ、ミウラ」
「は、はい!」
「お前は今回、なるべく後ろに下がらないでやってみろ」
「……へっ!?」
ニコリと笑って容赦の無い一言をぶつけてくるヴィータに、ミウラは目をまんまるにして固まる。

「相手の攻撃をよく見ろ、お前は小心だけどな、べつにそれは良い。ただ、小心が腰が引けることにつながるのだけは避けろ。トップファイター相手でもそれが出来るように、腹に力込めてセルジオと向き合え」
「え、えぇぇ!?」
そんなことを言っている間に、あれよあれよという間に二人は浜辺で向き合わされる。すでにセルジオは砂地の感触を確かめるようにピョンピョンと飛び跳ね、準備万端といった様子だ。

「(ぅう……)」
こうやって彼と向き合うと、どうしてもあの日の事を思い出してしまう。開始のコール直後に目の前に彼か現れ、衝撃と共に訳もわからす視界が真っ暗になったあの時……あれは、正直なところ、怖い……

「……ッ!」
いや、今度の機会は、この記憶を払拭するために設けられた機会なのだ。今から恐れていては話にならない。そう思って、左右に被
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