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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十七話 STAR T SABER《星と刃》
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ルジオに対する一種の恐怖感は、未だに残っている。
「(それをなくすために、今回来てもらったわけだが……)」
「うぅ……」
「?」
「(こりゃ望み薄かねぇ……?)」
ため息がちに、ヴィータは自分の後ろに隠れながら涙目でセルジオを見るミウラを見て、頭を掻いた。
彼女は本来、試合の相手などとは初めこそおどおどすれ、すぐに毅然と向き合うタイプなのだが、彼にだけはその流れが適用されないらしい。
「ふむ、そう言えば、挨拶がまだだったか」
「え、えっと……」
「儂はセルジオのコーチングを担当している、ミゲル・サラスという。直接挨拶するのは初めてだったか?ミウラ・リナルディくん」
「は、はい。あ、す、すみません!ご挨拶が遅れてしまって……」
「いや、それは良い」
小さく微笑んで首を横に振るミゲルを、ミウラはどうしていいか分からないという風な顔で見上げる。そんな彼女にミゲルは、頭を下げた。
「先ずは、すまなかった」
「えっ」
「以前の試合の事、お前さんにとってそこまでダメージになっていると気が付けなかった事、心より詫びる。あの時の試合は、儂もやりすぎたと思っていた。セルジオにはその旨、しっかり伝えてある故、安心してほしい」
「え、えっと……いえ、ボクがちゃんと受けられなかったのが原因ですし、そんな、頭を上げてください……!」
「そういうわけにもいかんこともあるのだよ。セルジオ、お前もだ」
言いながら呼び寄せたセルジオは、状況がよくわからないという風な顔でミゲルを見た。ミゲルはセルジオに目線を合わせると、しっかりとした口調でせつめいする。
「前のこの子との試合を、覚えているか?」
「ン!覚えてル!せんせーとりりーなに、やりすぎだ!って怒られたやツ!」
「そうだ。その時の怖さが、ミウラくんにはまだ残っているのだそうだ」
「?ミウラ、オレのこと怖いのカ?」
「えっ」
唐突でストレートな問いに、ミウラは戸惑ったようにミゲルを見た。彼は少しだけ微笑むと、小さくうなづく。それを見て、ミウラは少しだけ決心したように真っすぐにセルジオを見ると、小さくうなづく。
「……うん、ちょっと……セルジオ君が怖い、です……」
「…………」
セルジオがその言葉にショックを受けているようには、ミウラには見えなかった。ただ、彼は少しの間目を丸くして固まると、困ったように、そしてミウラと同じようにミゲルを見て、それからミウラを見る。そして……
「ごめんなさイ!」
「あ……」
「オレ、まだこの世界に来たばっかり、かげんとか、やりすぎとか、よくわからなイ……でも、女には優しくしろって、せんせーにもりりーなにも、バァバとマァマにも言われた。だからミウラが怖くなったら、ごめんなさイ!!」
「…………」
とても素直な言葉に硬直するミウ
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