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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第三章
二十七話 STAR T SABER《星と刃》
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「うん、ここで。というか、ここ以外では出来ないんだよ。危ないから」
「「……?」」
苦笑しながら謎かけのようにそんなことを言うミカヤに、双子が首を傾げる。そんな中、ミカヤはなぜかキョロキョロと周りの廃車の山の上を見ていた。

「あの、ミカヤさん?何か探していらっしゃるんですか……?」
「うん、実はちょっともう一人此処に呼んでいる、というか待ち合わせているんだけど……」
「人、ですか?」
そう言って相変わらず廃車の上を見ているミカヤに、人を探してどうしてそんなところを眺めているのだろう?という疑問が浮かぶ。普通、敗者の上などと言う危険なところにわざわざ上る人間はいない。が……

「あ、居た居た!エーデル!」
「……ん、来た」
「…………」
居た。普通に廃車の上に座って、日向ぼっこと言わんばかりにのんびりとしている少年がミカヤの視線の先に一人。少年はこちらに気が付くと、軽く手を振って3m知覚積み上がった廃車の山から飛び降りる。まるで重量を感じさせないふわりとした跳躍の後着地した彼の足元からは、土煙一つ上がらなかった。

「貴方は……!」
「エーデル・シュタイン選手!?」
「……?ちびっ子たちの……?なんで?」
どこか眠たそうに聞いたエーデルの問いに、ミカヤが意外そうな反応をした。

「おや?二人は、エーデルをもう知ってたのかい?」
「ん……」
「は、はい。先日、男子の部の選考会の際にお会いして……」
ディードがそこまで言った所で、ミカヤは得心したように少し頷くと、頤の下に手を人差し指の第二関節あたりを充てていった。

「あぁ、なるほど。エーデルの方は、ヴィヴィオちゃんのお兄さんを見に行ったわけ、か」
「ん」
「えっ?ミカヤさん、ヴィヴィオさんのお兄さんをご存知なんですか?」
まだクラナのことなど一度も話していないにも関わらず出た言葉に、ミカヤは肩をすくめて答える。

「ん?あぁ、何、友人の従兄弟が、ナカジマちゃんにセコンドを頼むというからどういう繋がりなのか少し気になってね。この前彼女に聞いてみたんだよ。そうしたらヴィヴィオちゃんのお兄さんがどういう人物なのか分かって……正直、驚いたよ。クラナ・ディリフス君、直接会ったことはないが、有名人だ」
「なるほど、それで……」
そう言うことだったのかとうなづきながら、双子は内心、クラナというよりライノの顔の広さに感心していた。男子の部の選考会ではほとんどの上位選手と知り合いのようだったし、女子の部の上位選手であるヴィクトーリアとは従弟、ミカヤともこの分では知り合いなのだろう。口ぶりから察するに他の女子の部の上位選手も知っているようだったし、本人からは全くそんな話は出なかったが、実は彼は物凄くIM内での顔が広いのだ。
知り合いといえば……

「そう言
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