ベルセルク
[4/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に紛れて攻撃してきた周囲の敵が武器を降ろす様子が見えたため、なのはは一旦防御魔法を解く事にした。
「スカルフェイス……!」
声質がマキナから聞いた通り地の底から響く亡者の声のようであったため、ジャンゴはすぐに気付く事が出来た。彼が甲板の端に寄ったことで服装などが見えるようになるが、彼の焼けただれた顔が見えた瞬間、なのはが怯えた声を漏らす。
「ひっ!? な、なに……その顔……!?」
「どうだ? 醜いか? だがお前は……いや、正確に言おう。“お前達”も他人の事は言えないのだよ」
「な、何のこと……?」
なのはの疑問には答えず、スカルフェイスはジャンゴの方に視線を動かすなり、被っていたテンガロンハットを右手で取って胸元に持って行く。
「お初にお目にかかる、太陽の戦士。ところで私が殺し損ねたあの娘は今も息災か?」
「マキナならお望み通りにピンピンしてるよ。もしかしたら僕達の知らない間にイモータルを一体ぐらい倒してるかもしれない」
「クックック……それは結構。あの邂逅以来、彼女の身を案じていた甲斐があった」
「心にもない事を、本当はいつスカルズに始末させようか策を練っていたんだろう?」
「そうでもない。彼女に伝えた話が漏れた程度では、我々の計画に何の支障も無かった。それより我々の存在を知る連中を皆殺しにする方が優先だった」
「皆殺し……!? じゃあ“裏”の人達は既に……」
「私のスカルズが披露した血のカスケードだ、本局の連中もさぞ感動しただろう。……良かったな、私が奴らを始末したおかげで、そこの彼女は“自由”を得た。友と再会し、家族と暮らす目的がようやく果たせるのだよ」
「しかしこんな形では……誰かが殺される事で自由が得られるなんて……」
「気に入らないか? だが、お前にはそれを言う資格は無い。世紀末世界に生きる命のために、破壊の獣に取り込まれまいと抗っていた兄を一度は殺した事があるお前にはな……」
「……それが何だ。僕は覚悟の上でサバタと戦った、サバタも僕との決着を望んでいた。あの戦いにはお互い、相手を貶めるような魂胆は何一つ無かった。確かに世界のためとか、破壊の獣を目覚めさせないためとか、やむを得ない事情はあったよ。でも……あの戦いの決着は僕もサバタも納得して受け入れた! あなたのように自分の思惑のためだけに誰かを殺すような事はしていない!」
「ほう……イモータルから聞いた事の顛末だけでは、お前は太陽意志の傀儡に過ぎないと思っていたが、どうやら認識を改める必要があるようだ。物事とは、表と裏、光と闇、敵と味方、両方の面から見てようやく意味がわかるもの。今回も、それだけの話であっただけだ。尤も、両方知った所で全てがわかる訳ではないのだが」
帽子をかぶり直したスカ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ