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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
それは水面に小石を放るが如く
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たい何をおっしゃりたいのですか?」

「その氷精に教えを説いた奴に、興味があるのよ。私達からすれば時間の無駄の一言で片付けられる行動を起こした人物に、ね」

再び紅茶を口にするレミリア。
見計らったように咲夜が紅茶を注ぐ。
流れるような作業は、それらすべてが一帯となっているかのように感じられる。
それ程繰り返された工程であり、当たり前の光景なのだ。

「その程度のことに興味がごありで?」

「幻想郷はそれだけ娯楽に乏しいということよ。貴方には仕事があるからわからないでしょうけれどね」

「その仕事を与えているのは誰でしたっけ?」

「―――ま、まぁそれはいいのよ。とにかく私は興味があるの。だからどうにかして探して来てほしいんだけど、誰に頼もうかしら」

「ぼかしているつもりでしょうが、仮に美鈴を偵察に出したところで門番代役は私が務めるのであしからず」

「うー………」

あくまで澄まし顔で事実のみを告げる咲夜に、威厳に満ちていたレミリアは過去の存在となる。
このやり取りも、紅魔館にとっては日常に過ぎなかったりする。

「―――はぁ、でも美鈴は普段からアレだし、あの場に置いておくよりは働いてくれるでしょう」

「そ、そうよね!当然だわ!」

そんな会話と共に、夜は明けていく。
今日も紅魔館は平和である。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


私の耳に、とある噂が入る。
氷精が急激に弾幕勝負で力をつけた、という記事にし甲斐のありそうな内容である。
そして、同時に気になる噂も耳に入った。
赤い服装と白髪の男性が、氷精強化に一役買っているというものである。
単純にそれだけでも記事の対象になるが、私の興味は共示義によってより色濃くなっていた。
赤い服装の男性―――それは、つい先日探偵紛いの推測で出した情報と合致したものであった。
幻想郷では、力を持つのは基本的に女性という、半ば常識に近い勢力図ができあがっていた。
事実、私も能力を持つ男性は未だ数人しか知らない。
その一部は能力持ちというだけで、弾幕勝負は私よりも劣るのが基本。
だからといって女尊男卑といわけでもなく、至ってまともな関係を維持しているので問題はない。
そういうことではなく、そんなマイノリティを貫いていた男性の一人が、妖精の強化に携わっていたというのは、とても珍しいことなのである。
それも含め、先日推測した探し人の特徴と符号したということもあり、最早見て見ぬふりなんて不可能な域に達していた。
恐らく、パチュリーさんにも噂は行き届いている筈。
何かしらのアクションを起こす性格とは思えませんが、いざというときは再び頼ることにしましょう。

「兎にも角にも、行動あるのみですね」

私の予想を超えて、その男は面白さを
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