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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
それは水面に小石を放るが如く
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らゆる点で重きを置かれる可能性があるということ。
しかし、妖精であるチルノは強くなることで肯定的には捉えられない。
むしろ厄介な相手として扱われ、面倒なことに巻き込まれかねなくなってしまう。
妖精という奔放な性質を持つ以上、大人しくしていろという願いはまず聞き届けられない。
エミヤシロウの善意による結果かもしれないが、リグルにとっては友達を危機に晒しかねない要素を刷り込まれたようにしか思えなかった。
「そーなのかー」
だが、周りはそうとは考えていない様子。
ならばせめて自分だけでも、エミヤシロウに警戒をしないと。
この警戒が徒労に終わればそれでよし。そうでなければ―――
拳を握りしめ、まだ見ぬ青年の姿に敵意を向けた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
夜―――それは、妖怪が最も活動的になる時間帯。
それがより顕著になる種族、それは吸血鬼。
夜の眷属とも比喩され、血液を啜り同族を量産していく。
妖怪の中でも繁栄力は随一とされ、その上戦闘能力にも優れている。
そんな驚異的な存在は、今宵も根城で月を見上げながら、従者の淹れた紅茶に舌鼓を打つ。
「―――咲夜。最近、とある妖精が実力をつけたという噂を聞いたのだけれど」
口に出したのは、幼い外見ながらも齢五百を超えるこの館―――紅魔館の主、レミリア・スカーレット。
少女の傍らに仕えるは、メイド長―――十六夜咲夜。
レミリアの右腕であり、人間でありながら吸血鬼にあらゆる価値を認められた希有な存在。
「噂、ですか?」
「ええ。確か氷精だったかしら。頭の弱そうな奴だったと記憶しているけれど、それが急激に力をつけた。それはとてもおかしなことよ」
「確かに、不自然ではありますね」
「能力を使いこなしているという話は聞かないし、そうなるとスペルカードの中身を弄るしかない。あれは一定のアルゴリズムを符に封じ込めることで、発動するだけで望んだ弾幕を再現することができるが、アドリブの利かないという欠点も持ち合わせている。スペルカード宣言をしていない、ただの弾幕から発展したという可能性も本来ならあるのだけれど、その氷精自らが、とある人物の意見を参考にしたと証言しているらしいし、むしろその方が信憑性があるでしょうね」
妖精は物事を筋道を立てて考える力がない。
基本的に感情論がすべてで、その有り様はまさに子供そのもの。
そんな子供が、古今東西のあらゆる実力者が集う幻想郷で実力をつけてきた≠ニ認識されるには、余程のテコ入れと第三者の干渉があったと考えるのが現実的なのだ。
あくまで噂の域を出ない為確信するには至らないが、今回の場合、証言として干渉があったという事実がきちんと存在している為、ほぼそうだと考えてもいいだろう。
「それで、お嬢様はいっ
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