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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
それは水面に小石を放るが如く
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「氷符『アイシクルフォール』!!」

高らかな宣言と共に展開される、氷柱の牢獄。
数日前に受けた助言により生まれ変わった弾幕が敵を圧倒していく。
それもその筈。今少女が敵対している相手は知人であり、互いに弾幕ごっこと称して幾度とこのようなやり取りを繰り返してきてきた。
つまり、手の内も互いに知り尽くしており、本来の用途である決闘としての意図はない、まさにお遊びをしていたに過ぎない。
当然知人である以上、チルノの性格や性質も理解している。
彼女がここまで高度な弾幕を創作するなんて、まかり間違っても有り得ないと認識しており、故に予想外の結果が、混乱に拍車を掛ける決定打となる。
そして、その一瞬の油断。それがこのお遊びの終わりを告げる狼煙となったことは言うまでもないだろう。

「あいてて………チルノ、どうしたのさアレ。まるで逃げ道がわからなかったよ」

地上で埃を払う動作と共に立ち上がる少女―――蛍の妖怪リグル・ナイトバグが、詰め寄らんばかりの勢いでチルノへと迫る。
そして、遠巻きで二人の情事を眺めていた者達も集う。

「す、凄いよチルノちゃん!」

理屈抜きに素直に功績を賞賛しているのが、大妖精―――友人達の間では大ちゃんと呼ばれている少女。

「リグル平気なのかー?」

張り付いた笑顔でリグルの心配をする少女、妖怪ルーミア。

「明日は雨ならぬ氷柱が降る日かな〜」

などと少しズレた思考をしているのが、夜雀の妖怪ミスティア・ローレライ。
彼女達は妖精と妖怪の垣根を越え、友人関係を築いている。
共通して幼い容姿をしていることもあってか、友人になるのに時間は要さなかった。
しかし両者共に自由な傾向にあることから、今のように一貫しない流れになることもしばしば。
それも端から見れば微笑ましいものではあるのだが。

「アレって、アタイのアイシクルフォール?」

「それ以外に何があるってのさ………」

溜息混じりにリグルが答える。
自分の成したことがとんでもない事だと、本人はそれに微塵も気付いた様子はない。
それに気付いていないからこそのチルノだと言えるのだが。

「アレはね、エミヤシロウって奴に教えてもらったんだ」

「エミヤシロウ?聞かない名前だね。どんな外見だった?」

チルノの漠然とした説明によれば、背の高い男性で白髪で赤いレザージャケットのようなものを着ていたらしい。
服装に関しては変わる可能性があるから当てにはならないが、白髪で男性という点は記号としては
十分。
リグルは何故その男がチルノに技術を教えるようなことをしたのかを考える。
理由あってのことか、ただの気まぐれか。
どちらにせよ、彼女が強くなったことは決して悪いことではない。
だが、強くなると言うことは、あ
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