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ダタッツ剣風 〜悪の勇者と奴隷の姫騎士〜
第三章 贖罪のツヴァイヘンダー
第36話 名前
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。王国騎士とは、これほどに恐ろしい敵なのかと。

「……そっ、か」

 それを知った少女騎士――ロークは、僅かに頬を緩ませる。最強と謳われた帝国勇者にここまで言わせるほど、父は強い騎士だった。それが、娘として純粋に嬉しかったのだ。

「なぁ、帝国勇者」
「ん?」
「オレ、父上みたいになれるかな。父上みたいに……強くなれるかな」
「……なれるさ、絶対。あの人の子供なんだから」
「……うん」

 そんな彼女の胸中に触れたダタッツも、穏やかにその背中を押す。少女騎士の行く末に、いつか光が差すことを祈って。

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