第二章 追憶のアイアンソード
第25話 宿命の対決
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
とする軍人を諭し、バルスレイは竜正を見遣る。
体重移動が使えない空中からの発動でも、螺剣風は壮絶な威力を持っている。その反動に苦しむ戦友の姿を、銀髪の将軍は沈痛な面持ちで見つめていた。
そして――王国軍がこの荒野を去って行く中で。竜正は一人、うずくまったまま震える手で、勇者の剣を握り締めた。
(……父さん……!)
父への想いが蘇ると、それに連なるかのように――竜正の脳裏に、犯した罪の重さがのしかかっていく。
いつしか彼は――敵対するアイラックスに、父の面影を重ねるようになっていた。
(……母さんのところへ帰ろうとするのが、そんなにいけないのか!? 父さん!)
こちらに剣を構えるアイラックスの姿が、自分を止めようとする父のように見えた竜正は、より激しい胸の痛みを受け――表情を歪ませる。
勇者を初投入した、この戦で――確かに竜正は勝利を飾ることに成功した。
だがそれは、彼が生涯背負い続ける十字架が現れたことを意味している……。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ