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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#4
PRIMAL ONE
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かし、「無関係」 ではないのであります。
彼の者 『幽血の統世王』 の存在は既に、
フレイムヘイズ、紅世の徒の間に大きく知れ渡り、
誰しもが無視できない状態になっているのであります。
『にも関わらず』 その本質は不透明で実体が掴めず、
入ってくる情報も殆ど断片的なモノなのであります。
そうでありながら、紅世最強クラスの “王” を
次々と配下に誣いているという事実。
もし捨て置けば、先の 『大戦』
否、この世界史上類を見ない災厄を引き起こすのは
必然なのであります」
 ヴィルヘルミナはそこで一度言葉を切り、
冷めた紅茶のカップを口に運んだ。
「故に私は “フレイムヘイズとして”
彼の者の存在を見過ごす事は出来ませぬ。
喩え勝算無き戦いでも、 『この世界全ての存在の為に』
一命を賭して立ち向かうのが、
嘗ての親友(とも)と交わした “誓い” でありフレイムヘイズの 『使命』
臆する事は、彼らの、そして私自身の運命に対する
「裏切り」 になるのであります」
 普段必要最低限の言葉しか発しない彼女の、
幻想のような風貌の裡で熱く滾っていた想い。
 ソレが最愛の者の傍らで、遠い追憶と共に剥き出しになった。
(ヴィルヘルミナ……)
(この者は、やはり)
 少女と魔神が、それぞれ対照的な心情で感嘆を漏らす。
 向かい側で彼女の言葉を黙って聞いていた二人のスタンド使いも、
その瞳に宿る、自分達の知っているモノとはまた違う
紅石(ルビー)のような輝きに感応する。
 しばらく視線を他方に送っていたジョセフだが、
やがておもむろに口を開いた。
「よし解った! そこまで覚悟の上なら最早ワシが言うことは何もない。
新たなる “仲間” として、君を歓迎しよう。ヴィルヘルミナ・カルメル」
 受け入れられた事に、淑女は自分でも意外なほどの強い衝動を感じ、
同時に透明で不思議な温かさが胸の中に染み渡っていくのが解った。
「あ、ありがとうございます。マスター。
今日よりこの方と共に、同じ目途の許、尽力致しますのであります」
 そう言って深々と頭を下げるヴィルヘルミナを、
ジョセフは太陽のような笑顔で見つめ頷いた。
「よかったね! ヴィルヘルミナ! また、一緒にいられるのねッ!」
「ようこそ! 麗しの淑女(レディ)
何か困ったコトがあったら、いつでもこのポルナレフを頼ってくれッ!」
 そう言って抱きついてくる少女を優しく受けとめつつ、
もう一人の男の腹に肘打ちを極め(いい加減読めるようになった)
淑女はここ数年来感じた事のなかった、安らぎの中で瞳を閉じた。
(これで……よかったのでありますな…… “マティルダ” ……)
 翳りのない追憶の中で甦る、今はもう亡き、たった一人の親友。
 彼女
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