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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#4
PRIMAL ONE
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自分に訴えてくる少女に、淑女も瞳を細めた。
(そんな顔を、しないで欲しいのであります。
何だかイジワルしているようで、心が痛むのであります)
 ヴィルヘルミナは一度シャナの柔らかな髪を撫で、
彼女にだけ解るように微笑んで安心させた後、
意を決したように言葉を発した。
「 “いいえ” マスター・ジョセフ・ジョースター。
この私も、アナタ方の旅に同道する認可を願う為に
馳せ参じたのであります」
「妥結」
 続いた言葉の後に、淑女は何故か自分の頭のヘッドドレスをゴンと叩いた。
「本当ッ! ヴィルヘルミナ!!」
「マジかよ!! そりゃあ願ってもねぇぜ!!」
 両脇から最愛の少女と余計な男が同時に身を乗り出してくる。
 それぞれ握られた手を一方は優しく、
もう一方は渾身の力を込めて外した後
淑女は宥めるような口調で言った。
「まだ、そうと決まったわけではないのであります。
マスターの裁可を仰がなければ」
 その言葉に二対の強烈な視線が向かう先で、
ジョセフがウムムと顎髭に手を当てて考え込んでいた。
「やはり、無理な相談でありましたか?
経済的な問題もありますしな。
私も多少の蓄えはあるのでありますが、
その大部分は天道宮の改修に使ってしまったのであります」
 すまなそうに俯く淑女の脇から二つの強烈な擁護が入った。
「なんだよジョースターさん! 
悩むようなコトじゃあねーだろ!?
金ならオレホテル彼女と相部屋で良グゲオァッ!」
「お願いジョセフ! 食後のデザート、なるべく我慢するから!」
 ポルナレフを裏拳で殴り飛ばした後、
シャナがガラスのテーブルに手を付いて懇願する。
「いやいや、違う。金の事ではないのだ」
 ソファーに沈んだポルナレフを放置し、
興奮気味のシャナを宥めた後
ジョセフはヴィルヘルミナに真意を告げた。
「君ほどの実力者。
もし助力を得られるならこちらからお願いしたい位じゃが……
しかし、 『本当に良いのか?』 」
 穏和な表情が一転、その威厳に裏打ちされる凄味を纏わせた老人の言葉に、
淑女は視線を研ぎ澄ませた。
(む、う)
 その気配は、紅世真正の魔神であるアラストールの心さえ揮わせた。
「我々は、この世のスベテを支配する程の、
途轍もない 『能力』 を持つ男を斃す為に、旅をしている。
自分の娘を救う為にな。
この旅に同行している者は、皆少なからずその男との“因縁” を持つ者ばかり。
危険な旅だ。「無関係」 な者を巻き込みたくはないと想ったのでな」
「……」
 ジョセフの言葉に、淑女は一度瞳を閉じる。
 そして再び開かれたその裡には、
優麗な美貌には不釣り合いとも云える
不撓の「覚悟」が充ちていた。
「格別の御温情、深く感謝するのであります。

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