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第五十九話 惑星イオン・ファゼガスを脱出します!
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がっていたが、確認できたのはそれだけであった。空港も混乱の極みにあり、スタッフらは応対で精一杯であったからである。
 そんな中、自由惑星同盟の統合作戦本部、自由惑星同盟評議会、自由惑星同盟経済界などの首脳陣らは臨時に集まって情報共有と共同戦線を張ることを盟約しあい、情報の収集と議長ら首脳陣、帝国使節の生存確認に全力を傾注することとなった。
 ヤン・ウェンリーとラップは統合作戦本部に泊まり込んでいたが、もはや手持ち無沙汰の状態が続いていた。シトレ大将自身はめまぐるしく入ってくる情報を統合作戦本部長と共に協議すべく専門スタッフたちとともに別室に入ってしまっている。
 ヤン・ウェンリーとラップに課せられたのは、交渉の過程での不測の事態に対処することであった。それが発生した以上、後は専門的なスタッフに任せるほかない。何故ならヤンもラップも魔術師ではない。現在行方不明の帝国使節団と自由惑星同盟の最高評議会議長らを見つける魔法の鏡は持っていないのである。


「ヤン、俺たちは何かできなかったのか?」
ラップがヤン・ウェンリーに話しかけた。あれほど警備を厳重にしたにもかかわらず突破されてしまったことに憤ると同時に自分たちがとんでもなく無能で、低能で、そしてサボタージュをしていたのではないかと首脳陣に見られても仕方がないのではないかと焦っているのだ。ラップ自身は功名を欲する心は持ち合わせていない。彼が焦っていたのは、まだ改善の余地はあったにもかかわらず、それを怠ってしまった自分たちへの罪悪感なのだ。
「あれだけ警備を厳重にし、情報部も全力を挙げて取り組んでいる警備体制を破られたんだ。無理だよラップ。私たち二人がいてもどうしようもできなかったさ。」
ヤンは泰然としていた。彼にしてもその心境は面白かろうはずはなかった。だが、起こってしまったことはもう取り返しがつかないのだ。ヤンもラップもやるべきことはやっていた。警備部隊の増強。監視用ヘリの増強。警備要員を交代制にしての警備体制弛緩の防止。ありとあらゆる索敵装置のフル稼働。完全な検問体制。まさにネズミ一匹たりとも近づけないほどの警備体制案を具申したのである。それは直ちに受け入れられた。
さらに非常時に備えて、訓練と称して4個分艦隊を惑星イオン・ファゼガス近くの星系に分散して待機させているし、イゼルローン、フェザーン両回廊には警備部隊を帝国軍に刺激させない程度に派遣して万が一に備えさせてもいる。
今頃はそれら付近の警備部隊が急行して治安の回復に当たろうとするだろう。
「それに、軍人が交渉事について政府にあれこれと干渉するのはよろしくはないよ。むろん、助言を乞われたらアドヴァイスはしてもいいとは思うが。」
「せめて場所を変えるか、どうにかできなかったのか?」
「無理だ。都市惑星イオン・ファゼガスは今は第四
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