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第五十九話 惑星イオン・ファゼガスを脱出します!
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「議長?」
「外務委員長の言う通りだ。もし我々がここで失敗すれば、帝国は怒涛の如く進撃してくるだろうし、そうでなかったとしても主戦派が息を吹き返して我々は追い落とされ、帝国に対して大規模な攻勢をし続ける政策に逆戻りするだろう。イゼルローン攻防戦など、もうたくさんだ。5回で充分すぎる。」
「あれだけ凄惨な光景を見たのです。6度目の攻防戦を仕掛ける様な愚か者はおらんでしょう。」
と、情報委員長。
「どっこい情報委員長。人間の記憶力というのはコンピューターメモリーと違って劣化するものなのさ。あれだけ植え付けられた恐怖も自己防衛本能そのほかの体の機能によって綺麗に浄化されて消え失せてしまうんだ。私は断言するがね、いくばくもたたないうちに同盟内部から帝国への大規模な攻勢をおこなうべしと世論が沸騰するに違いないさね。」
こう皮肉っぽくいったのは人的資源委員であり、委員会bQのホワン・ルイである。
「そうなれば、同盟の経済は間違いなく致命傷を負う。今現在でも度重なる要塞建設や艦隊拡充計画、そして三度にわたる帝国からの遠征軍迎撃作戦で喘いでいる状況なのだ。今その計画が実行されればもはや手のつけようもない。国債は今とは比べ物にならない規模で発行され、通貨の流通量は桁違いに増大し、間違いなくインフレが起こるだろう。それも手のつけようもないハイパーインフレが。」
経済開発委員長であるジョアン・レベロが苦々しげに言った。国防委員長と天然資源委員長もその言葉でようやく事態の重大さを改めて気づかされた様子だった。事は自分たちの進退という小さな小さなレベルの問題にとどまらない。同盟全体が生きるか死ぬか、そこまでの問題にまで発展していたのである。
「つまりは、我々は大きなミスを犯したが、そのミスをミスのまま放置することは断じて許されないというわけだ。和平は無理であろうとせめて数年の期限付き和平を締結できるよう全力を尽くすべきだろう。」
ピエール・サン・トゥルーデの言葉に、一同はうなずいた。うなずかざるを得なかった。


一方――。
 自由惑星同盟本星は混乱の極みに合った。迎賓館襲撃事件発生から、メディアの間では不確定要素の情報が飛び回り、人々はそれに翻弄され続けていたのである。最高評議会議長が帝国の使節によって暗殺されたと報道されたかと思うと、帝国の使節は自由惑星同盟の軍上層部の特殊部隊によって始末された、それは帝国への侵攻の宣戦布告である、などと報道されている。要するにその情報は支離滅裂であり、誰もが一体どれが本当の情報なのかと疑心暗鬼にさらされ続けていた。
 確かなことは、最高評議会議長以下の最高評議会メンバーと帝国使節団が行方不明になったことである。また、軍港に待機していたブリュンヒルトとヴァルキュリアという2隻の帝国戦艦が飛び立ったことも情報として挙
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