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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十九話 惑星イオン・ファゼガスを脱出します!
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、奇跡というべきだな!!」
「なんだとッ!!??」
当の本人たちを目の前にして、対ラインハルト包囲網の役者でもあるブラウンシュヴァイク公爵とリッテンハイム侯爵の双方の罵倒やののしりあいはとどまることを知らなかったのである。
一方のピエール・サン・トゥルーデ側も穏やかではなかった。
「だから帝国の和平使節など、迎え入れるだけ無駄だったではありませんか!?それどころか奴らジョーカーを我々の手に押し付けてきおった!!どうしてくれるんですか!?これでもう帝国との戦争は避けられないことになる!!!主戦派は『それ見たことか!』と喜び、和平派は一斉に我々を引きずり下ろしにかかるでしょうな!!」
国防委員長のケヴィン・ハンスネルの投げやりかつヤケクソの叫びが交響曲「絶望と憎悪」の第一楽章の幕を開けた。
「落ち着き給え。帝国の戦艦の中で同盟首脳陣が言い争っているなど、喜劇以外の何物でもないではないか。」
ピエール・サン・トゥルーデがたしなめる。
「喜劇ですと!?もう充分喜劇ですよ、ここまでが!!」
天然資源委員長のミハイル・プレジャックが「お前馬鹿なの!?ド天然なの!?」という態度を全開にして叫ぶ。
「落ち着きなさい!帝国の使節の受け入れについては、最高評議会議長お一人の発案ではないわ。私たち皆が多数決で決め、最後には評議会全体で賛成多数で可決されたことじゃないの。それを棚に上げて議長を責めるなんて・・・あなたたちは議長をスケープゴートにでもするつもり!?」
外務委員長のケリー・フォードが手厳しい調子で反撃した。30代半ばの若さで新設されたとはいえ外務委員長のポストに就任しただけあって、その胆力はなみなみならぬものであったし、元キャスターという肩書が知的な美人だという印象をメディアを通じて同盟市民にもたらしていた。
彼女の言ったことは建前上正論である。自由惑星同盟が曲がりなりにも多数決で決定した事柄である。市民の意志が反映されたという事だ。だが、その水面下では様々な駆け引きがあったことは言うまでもない。
「こんな時に正論か?お前も帝国の使節が帰国すれば、同時に今の椅子を奪われることになるんだぞ。どこまでもおめでたいお嬢さんだな。」
と、ケヴィン。
「構わないわ。私が辞職して同盟が活性化するのであればね。でも、果たしてそううまくはいくかしら?主戦派が息を吹き返せば、建設中の要塞を橋頭堡に帝国に攻め入ろうなどという論調が出てくることは確実よ。そうなればなったで同盟市民は重税にあえぐことになるし、新たな徴兵によって前線に出なくてはならない男性が大勢出ることになる。あなたも一兵卒として前線に駆り出されるのではないかしら?国防委員長殿。」
「お前、何を言って――。」
「その通りだ。」
ピエール・サン・トゥルーデの発言が双方の動きをとめた。
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