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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十九話 惑星イオン・ファゼガスを脱出します!
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リミッターは解除されずにいたのである。
だからこそ、双方がそれぞれの自室に戻った瞬間に激昂罵声罵り合いの修羅場になったのはある意味で自然なことなのかもしれない。
「だから交渉など無益だったのだ!!!」
リッテンハイム侯爵の怒声が交響曲「修羅場」の第一楽章の幕を開けた。
「お、お父様、そんなに大きな声をお出しにならないで――。」
「お前は黙っていろ!!」
とめようとしたサビーネをリッテンハイム侯爵が一喝する。サビーネは胸に手を当てて懸命に嗚咽を殺していたが、やがて静かに部屋の隅に下がった。そっとイルーナが彼女を抱きしめて、慰め始めた。イルーナ・フォン・ヴァンクラフトは会議のため臨時にブリュンヒルトに来ていたのだ。
「侯爵閣下、ご令嬢にそのような声をお上げになるのはどうかと思います。」
イルーナがサビーネの背中をさすり、慰めながらリッテンハイム侯爵に言った。
「貴様に言われたくはないわ!!我が家の事にくちばしを突っ込むのはやめてもらおうか!!」
手のつけようもない。今まで抑えてきた憤懣がマグマとなって噴出している。
「落ち着かれよ、リッテンハイム侯爵。そのような怒声を上げても、事態が解決するはずはありませんぞ。」
「フン!後から賢しらぶって口を出すとは。宇宙艦隊司令長官は口先だけの口舌の徒だというわけか。」
「なんと言われる!」
「やめないか!」
ブラウンシュヴァイク公爵が苦虫を噛み潰したように双方を分けた。彼自身声を大にして叫びまくりたい気持ちは大きかったが、そこは大貴族の長である。そのような醜態はこのような時には絶対に見せたくはないところだった。だが、リッテンハイム侯爵は収まらなかった。
「ブラウンシュヴァイク公!!卿も卿だ。今回の事、卿の身内であるそこのフレーゲル男爵とかいうなまくら貴族のボンボンの出したサル知恵だというではないか!!そのようなことにこの儂を巻き込みおって!!帝国に帰った暁にはそ奴に全責任を取ってもらうように陛下に進言するぞ!!」
指さされて憤怒と恐怖に顔面蒼白になっているフレーゲル男爵はワナワナとソファの肘掛を握りしめている。口は閉じたり空いたりしているが、何も言葉は聞こえてこない。
「リッテンハイム侯爵、確かに今回の件はこの甥が一枚かんでおるのは事実だ。だが卿も当初は喜々としてこの策に賛同したではないか。」
「何ッ!?儂が賛同!?ふざけるな!!そんな確約をしたとはどこにも出ておらんわ。証書でもあるのかな、ブラウンシュヴァイク公。」
「貴様、貴族の面汚しだな!!」
ついにブラウンシュヴァイク公爵も堪忍が切れた様に叫んだ。
「都合のいいときだけ儂らを利用し、都合が悪くなると赤ん坊のようにわめきたてるのはリッテンハイム侯爵家の遺伝という奴か!?貴殿の家が劣悪遺伝子排除法に引っかからなかったのは
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