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第五十九話 惑星イオン・ファゼガスを脱出します!
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つらいのにね・・・・。」
ぽつりとつぶやいたフィオーナはベッドに横たわると、枕に顔を埋めたのだった。


* * * * *
 ともかく、まずはアルテミスの首飾りの射程外に出ることが肝心である。2隻は全速上昇で大気圏外に出た。青みがかった空がやがて漆黒の宇宙に変わった。惑星イオン・ファゼガスと宇宙の境界線が美しく青く輝く一筋の光を放っているのが目の前に見えている。そしてその境界線の付近に規則正しい等間隔を置いて、軍事衛星「アルテミスの首飾り」が鎮座しているのが見えた。超合金でよろわれた軍事衛星は戦艦の主砲もミサイルも一切受け付けない。近づくものを敵視した瞬間、容赦のない全方位砲火がターゲットに集中することになり、よほどの運がなければ惑星イオン・ファゼガスをめぐる宇宙塵の仲間入りである。
「あれが火を噴かないという保証はないでしょうが。」
フェルナーはシュトライトに話しかけた。
「それをすれば自由惑星同盟は自分たちの最高元首もろとも吹っ飛ばすことになりますな。自分の頭を撃つようなものだ。」
「その前提はあくまでもその情報を彼らが知っていればこそだ。彼らは夢にも思わないだろう。帝国軍艦船に自由惑星同盟の最高評議会議長らが乗っていることなど。想像の翼というものは思ったほど長くはないものだという事をわきまえておくべきだ。」
「ごもっともなご意見ながら、さしあたっては大丈夫でしょう。都市惑星イオン・ファゼガスに着陸する際に我々500隻の帝国軍艦船のコードは味方であると『アルテミスの首飾り。』に送ったという話をしておりました。・・・・今のところはですが。」
アンスバッハが二人の会話に加わり、じっとアルテミスの首飾りに視線を注ぎながら言った。
 徐々にアルテミスの首飾りの一つに近づいていく。付近には遊弋する艦船もいて、それらがコバンザメのようにアルテミスの首飾りの一つに群がっているかのように見える。おそらくメンテナンス用の軍の工作艦隊なのだろう。帝国軍艦船2隻はその中を悠然と航行していく。帝国軍の文様があるから、周囲の同盟軍艦船などは飛び上って警報を鳴らしそうなものだったが、ここまで大々的に報道されていたこと、まだニュースでは迎賓館襲撃の詳細が発表されていない事が幸運を奏していた。すなわち今現在は帝国軍艦船が使者として堂々とここにきている。よってそれらに対して発砲する必要などはない、と。
 息を詰めて見守っていたのはおそらくほんの10数分であっただろうが、居合わせた人々にとってはそれが数時間の長さにも感じていた。
 ブリュンヒルトとヴァルキュリアは左舷にアルテミスの首飾りを見ながら進んでいく。右から左にアルテミスの首飾りの巨大な衛星が通り過ぎるのを、人々はじっと身動きもせずに見つめていた。
「・・・・完全に射程外に離脱しました。」
オペレー
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