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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
圏内殺人事件
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一体何なんだ、この女は。
確かに、いい天気なんだから昼寝でもしろと言ったのはキリトだが、まさか30分足らずうたた寝してからハッと目を覚ましたみれば、本当に隣で熟睡しているとは予想外にもほどがある。豪胆なのか、意地っ張りなのか、あるいは__ただの寝不足な人か。
何なんだ本当に。
「いちいち呆れるな」
と、キリトの考えを呼んだかのように隣から忠告する少年__《ネザー》。
彼は最初ここに来た時から寝ていないが、半袖ロングコートに付いたフードを頭に被ったままキリトの隣に腰を下ろしあぐらをかいている。
フードを被る理由について大体推測できた。本人は太陽が眩しいからだと言ってるが、キリトには右頬の傷痕を隠していることを悟った。
呆れ感を最大限に表現すべく左右に頭を振りながら、キリトは軽やかな寝息を立てる細剣使いの女……ギルド《血盟騎士団》の副団長、《閃光のアスナ》の整った横顔を眺め続けた。ネザーのほうは問題ないと思っているようだが、第1層でのことをまだ引きずっていた。
話の発端は、あまりにもいい天気だったのでジメついた迷宮区に潜る気をなくしたキリトが、今日は1日、第59層を取り囲む低い丘で昼寝をしていた事だった。
実際素晴らしい天気だった。浮遊上アインクラッドの季節は現実と同期しているが、その再現度はやや生真面目すぎて、夏は毎日キッチリ暑いし、冬はバッチリ寒い。気温の他にも、雨や風、湿り気など、更に小虫の群れといった気候パラメータが山ほど存在し、どれかが好条件なら対外どれかが悪い。
だが今日は違った。気温はポカポカ暖かく、柔らかな日差しが空気を満たし、そよ風はベタついてもイガラっぽくもなく、おかしな虫も発生していない。いくら春とは言え、これほど全ての気候パラメータが好条件に固定されることは、年間通して5日もあるまい。
これはデジタルの神様が、今日くらいは攻略の疲れを癒すために昼寝でもしていろと言っているのだなと解釈し、素直に従った、のだが。
柔らかな芝の斜面に寝転がり、ウトウトまどろんでいたキリトの頭のすぐ横を、ざしっと白革のブーツが踏んだ。同時に、聞き覚えのあるキツイ声が降ってきた。
曰
(
いわ
)
く。
「攻略組のみんなが必死に迷宮区に挑んでいる時に、何でのんびり昼寝してるのよ」
瞼をほぼ閉じたまま、キリトは答えた。
「今日はアインクラッドで最高の季節。更に最高の気候だ」
きつい声はなおも
反駁
(
はんばく
)
する。
「あなた、わかっているの?こうした1日無駄にした分、現実でのわたし達の時間が失われていくのよ」
キリトは再び応ずる。
「でも今、俺達が生きているのは、このアインクラッドだ」
実際の問答は口語で
行
(
おこな
)
われたが、その結果、この女は
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