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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
圏内殺人事件
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「見せしめのつもりかしら……」

アスナが同じく首を傾げて言った。

「いや、でも、それ以前に」

大きく息を吸い込み、キリトは明瞭な声で告げた。

「ウィナー表示がどこにもなかった。そ広場に詰め掛けてた数十人が誰も見つけられなかった。ディエルなら、必ず近くに出現するはずだろ」

「でも……あり得ないわ!」

アスナの鋭い反駁(はんばく)

「《圏内》でHPにダメージを与えるには、ディエルを申し込んで、承諾されるしかない。それが誰もが知ってる常識よ!」

「……それとも、《奴ら》の仕業(しわざ)か……」

「ん……何か言ったか?」

俺の口から放たれた囁き声が、キリトの耳に少し届いた。

「何でもない」

素気なく答える。

3人は顔を見合わせたまま沈黙した。

アスナの言う通り、絶対にあり得ないことが起きたのだ。それなのに、彼らがわかっているのは1人のプレイヤーが衆人(しゅうじん)環視(かんし)の中で死んだということだけで、誰が、いつ、どうやって、の全てが見当もつかない。

窓の外の広場からは、プレイヤー達のざわめきが途切れることなく届いてくる。彼らもまた、この《事件》の異質さにもう気づいているのだろう。

やがて、俺がまっすぐ2人を見て、言った。

「何にせよ、乗り掛かった船だ。このまま放置するわけにはいかないな」

「そうね。もし《圏内PK技》みたいなものを誰かが発見したのだとすれば、外だけでなく、街の中でも危険ということになるわ。速くそのトリックを突き止めて、対抗手段を得る必要があるわ」

「……俺達の間じゃ珍しいけど、今回ばかりは同意せざるを得ないな」

頷いたキリトに、わずかな苦笑を滲ませて《閃光》はズイッと右手を突き出してきた。

「なら、解決までちゃんと協力してもらうわよ。少しはネザーさんを見習ってよね」

「お、おう」

恐る恐るとした感じで、キリトも手を差し出す。

こうして、ネザー、キリト、アスナによるパーティー……ではなく《探偵トリオ》を組んだのだった。





事件の《証拠品》として、被害者が吊るされたロープと、胸を突き刺された黒い短槍を回収し、俺のアイテムストレージへ格納された。

入り口付近に立っていたプレイヤーに訊ねてみたところ、入り口を通過した者は1人もいなかったとのことだ。広場に出たキリトは、こちらを注視している野次馬(やじうま)達に手を挙げてから、大きな声で呼びかけた。

「すまない、さっきの一件を最初から見ていた人、いたら話を聞かせてほしい!」

数秒後、おずおずという感じで、人垣(ひとがき)から1人の女性プレイヤーが進み出てきた。顔には見覚えはない。武装もノーマルな片手剣で、恐らく中層から
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