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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
圏内殺人事件
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逡巡(しゅんじゅん)するキリトとアスナの耳に、俺の鋭い声が届いた。

「お前ら下で受け止めろ!」

直後、ものすごいスピードで教会の入り口を目指して駆け出す。内部の階段で2階まで登り、あのロープを切る気だ。

「わかった!」「わかったわ!」

同時に、俺の背中にそう叫び返し、2人はぶら下がる男の真下へとダッシュした。

__しかし。

半分ほど走ったところで、大型ヘルメットの下に覗く男の両眼が、空中の一点を零れ落ちんばかりに凝視した。何を見ているのか、2人は直感的に察した。

自分のHPバーだ。正確には、それがゼロになる瞬間。

広場に満ちる悲鳴と(きょう)(せい)のまっただ中で、男が何かを叫んだような気がした。

そして無数のグラスが砕け散るような音と共に、青い閃光が夜闇を染めた。爆散するポリゴンの欠片を、2人は(ほお)けたようにただ見上げた。

拘束すべき物を失ったロープが、クタリと壁面にぶつかった。1秒後、落下してきた黒いスピア……あるいは凶器が、目の前の石畳に、重い金属音を響かせて突き立った。

無数のプレイヤーが放つ悲鳴が、街区に満ちる平和になBGMをかき消した。

キリトは巨大な衝撃を覚えながらも、懸命に眼を見開き、教会を中心とした広い空間にひたすら視線を走らせた。存在すべきもの……必ず出現しなければならないものを探すために。

すなわち、《デュエル勝利者(ウィナー)宣言メッセージ》。

ここは主街区の、つまりアンチクリミナルコード有効圏内のど真ん中だ。この場所でプレイヤーがHPにダメージを受け、なおかつ死にまで至るからには、その理由は1つしかない。

完全決着モードのデュエルを承諾し、それに敗北すること。

それ以外にはあり得ない。絶対に。

ならば、男が死ぬと同時に、【WINNER/名前 試合時間/何秒】という形式の巨大なシステムウィンドウが近くに出現するはずなのだ。それを見れば、あの全身金属鎧男を短槍1本で殺した相手が誰なのか即時にわかる。

__だが。

「……どこだ……」

我知らず呟く。

システムウィンドウがない。広場のどこにも見当たらない。表示されている時間はたった30秒しかないのだ。

「みんな!デュエルのウィナー表示を探してくれ!!」

キリトは周囲のざわめきを圧する大声でそう叫んだ。プレイヤー達は即座にキリトの意図を悟ったらしく、すぐさま視線を四方八方に走らせ始めた。

だが、発見の声はない。もう15秒は経つ。

ならば建物の内部か。ロープが垂れ下がっている教会の2階の部屋にメッセージが出ているのか。もしそうなら俺が見つけているはずだ。

と思った瞬間、問題の窓から俺が覗いた。

「ネザー!ウィナー表示は
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