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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
圏内殺人事件
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何を考えたのか本気で隣に寝転がり、こともあろうに本当に熟睡してしまったというわけだ。
そこにネザーが現れ、成り行きでお供することになった。しかし、アスナのように熟睡することなくその場に座ったまま。まさに、
心頭滅却
(
しんとうめっきゃく
)
の
境地
(
きょうち
)
である。
なぜ、他人を毛嫌いするネザーが付き添うことになったのか。
理由は単純。アスナの護衛__と言えるかどうか微妙だが、2人で《索敵スキル》による接近警報をセットした。ソロではあるが、攻略に対しては懸命だったネザーにとって、攻略に支障が出ることは見過ごせないのだろう。結局ネザーは自分の都合だけで動いてるのだ。
いささか冷たすぎる気がするが、自ら
悪役
(
ビーター
)
を買って出たネザーに対し、キリトは何も言えない。いや、言う資格がないのだ。
同じ元ベータテスターであるなら、自分が進んでビーターの役を引き受けてもよかったはず。また、あの時に自分もビーターだと名乗れば、ネザー1人だけに重荷を背負わせることもなかったはず。
それを申し訳ないと感じているキリトには、最後まで付き合う責任がある。
浮遊城外周の開口部からオレンジ色の夕陽が顔を出す頃になって、アスナは小さなくしゃみと共にようやく目を覚ました。
実にたっぷり8時間も熟睡していた計算だ。もはや昼寝どころの騒ぎではない。昼飯抜きで付き合わされたキリトと俺は、せめて冷徹なる副団長が、この状況を認識した後どんな面白い顔を見せてくれるかだけを楽しみにひたすら凝視し続けた。だが俺は「やめておけ」と忠告したが、キリトはその忠告に従わなかった。
「……うにゅ……」
アスナは謎の言葉で呟いた後、数回瞬きし、キリトを見上げた。
形の良い眉毛が、わずかにひそめられる。芝生に右手をついてフラフラと上体を起こし、栗色の髪を揺らし右、左、更に右を眺める。最後もう一度、隣であぐらをかくキリトを見て。
「な……アン……どう……」
周りに眼を向けると、今度は立ち尽くす西洋風忍者の姿も見えた。
「どう……どうして、ネザーさんが……?」
俺の姿を見た途端、透明感のある白い肌を、瞬時に赤く染め、やや青ざめさせ、最後に一度赤くした。
「おはよう。よく眠れた?」
キリトは最大級の笑顔と共に言った。
アスナの右手が、ピクリと震えた。
しかし、さすがは最強ギルドのサブリーダーと言うべきか、自制心のセーピングロールに成功したらしく、手を近づけていた腰のレイピアを抜くことも、あるいはダッシュで逃走することもなかった。
2人を睨むが、恐る恐るとしているのはキリトだけ。俺は至って落ち着いていた。そんな2人を睨みながらもアスナはキリキリと食い縛られた艶やかな歯の隙間
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