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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
オレンジ&メタヴァーミン
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1人くらい余裕だわ!!」

その声に勢いづいたように、オレンジプレイヤーの先頭に立つ男が叫んだ。

「そ、そうだ!攻略組なら、すげえ金とかアイテムとか持ってるぜ!美味しい獲物じゃねえか!!」

口々に同意の言葉を喚きながら、盗賊達は一斉に抜剣した。無数の金属がギラリと凶暴な光を放つ。

ロザリアを除く10人の男達は武器を構えると、(たけ)り狂った笑みを浮かべ我先にと走り出した。短い橋をドガドガと駆け抜け、

「オラアァァ!!」

「死ねやぁぁ!!」

立ち尽くす俺を半円形に取り囲むと、剣や槍の切っ先を次々と俺の体へと叩き込んだ。同時に10発もの斬撃(ざんげき)を受け、俺の体がグラグラと揺れた。

暴力に酔ったように、ある者は哄笑しながら、ある者は罵り声を上げ、手を休めることなく俺に向かって武器を叩き込み続ける。橋の中ほどに立ったロザリアも、顔に抑えきれない興趣の色を浮かべ、食い入るように惨劇を見つめている。

ところが、賊の1人があることに気づき、攻撃を止めた。

俺のHPバーが減っていない。

いや、正確には、絶え間ない攻撃を受けることでほんの数ドットずつわずかに滅少するのだが、数秒経つと急激に右端まで回復してしまうのだ。

やがて、オレンジ達も俺が一向に倒れる様子がないことに気づき、戸惑いの表情を浮かべた。

「お……おい、どうなってんだよこいつ……?」

1人が、異常なものを見るように顔を歪めながら、腕を止めて数歩下がった。それが呼び水になったように、残りの9人も攻撃を中止し、距離を取る。

しんとした沈黙が周囲を覆った。その中央で、ゆっくりと俺が顔を上げ、静かな声が流れた。

「10秒あたり400ってとこか。それがお前ら10人が俺に与えるダメージの総量だ。俺のレベルは78、HPは14500……更に戦闘時回復(バトルヒーリング)スキルによる自動回復が10秒で600ポイント。何時間攻撃しても俺は倒せない」

男達は愕然としたように口を開け、立ち尽くした。やがて、オレンジの両手剣使いが言った。

「そんなのありかよ……?」

「ありなんだよ」

吐き捨てるような返答。

「たかが数字が増えるだけで無茶な差がつく。それがレベル制MMOの理不尽さなんだよ!」

俺の、抑えがたい何かをはらんだ声に圧倒されたように、オレンジ達は後ずさった。その顔に張り付いた驚愕が恐怖へと変わっていく。やがて武器を下ろし、手放した。しかし、まだ終わっていない。後ろからオレンジプレイヤーに命令し、直接戦闘を行わなかったロザリアが残っていた。

「チッ!」

不意にロザリアが舌打ちすると、「まだ終わってないよ!」と叫んだ。

その言葉に、俺と男達が注目する。

「あんた、あたしの
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