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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
オレンジ&メタヴァーミン
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ち上がると、シリカは改めて周囲を見回した。
花の間の小道を歩く人影は、見ればほとんどが男女の2人連れだ。皆しっかりと手を繋ぎ、あるいは腕を組んで楽しげに談笑しながら歩いている。どうやらこの場所はそういうスポットになっているらしい。シリカは傍らに所在なさそうに立つキリトをそっと見上げた。
あたし達も、そう見えてるのかな……?
などと考えてしまった瞬間襲ってきた顔の
火
(
ほ
)
照
(
て
)
りを誤魔化すように、元気よく言う。
「さ……さあ、フィールドに行きましょう!」
「う、うん」
キリトは一度ぱちくりと
瞬
(
まばた
)
きしたが、すぐに頷いてシリカの横を歩き始めた。
ゲート広場を出てきたフード男が、気づかれないよう尾行していることも知らずに進んでいく。
「ぎゃ、ぎゃああああ!?なにこれ……!?き、気持ち悪〜い……!!」
47層のフィールドを南に向かって歩き出して数分後。早速最初のモンスターとエンカウントしたのだが。
「や、やあああ!!来ないで〜!!」
背の高い草むらを
掻
(
か
)
き分けて出現した者は、シリカの思いもよらぬ姿をしていた。一言で表現すれば《歩く花》だ。濃い緑色の
茎
(
くき
)
は人間の腕ほども太く、根元で複雑に枝分かれしてしっかりと地面を踏みしめしている。茎もしくは胴の天辺にはヒマワリに似た黄色い巨大花が乗っており、その中央には牙を生やした口がパックリと開いて内部の毒々しい赤をさらけ出している。
茎の中ほどからは2本の肉質のツタがニョロリと伸び、どうやらその腕と口が攻撃部位となっているらしい。人食い花は大きなニタニタ笑いを浮かべ、腕あるいは触手を振り回してシリカに飛び掛かってきた。なまじ花が好きなため、
醜悪
(
しゅうあく
)
にカリカチュアライズされたそのモンスターの姿はシリカに厳しい生理的な
嫌悪
(
けんお
)
を
催
(
もよお
)
させた。
「やだってば……!!」
ほとんど眼を瞑って短剣をぶんぶん振り回していると、傍らに立つキリトが呆れたような声で言った。
「だ、大丈夫だって。そいつはすごく弱いから。花のすぐ下の、ちょっと白っぽくなってるとこを狙えば簡単に……」
「だ、だって、気持ち悪いんですううう〜」
「そいつで気持ち悪がってたら、この先に進んだら大変だぞ。花がいくつもついてる奴や、食虫植物みたいなのや、ヌルヌルの触手が山ほど生えた奴まで……」
「きえ〜〜〜〜!!」
キリトの言葉に鳥肌が立って、悲鳴を上げつつ無茶苦茶に繰り出したソードスキルは、当然ながら見事に空を切った。技後硬直時間にするりと滑り込んできた2本のツタが、シリカの両足をグルグルと捉え、思いがけない怪力でひょいと持ち上げた。
「わ!?」
ぐるん、と視界が反転し、頭
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