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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
オレンジ&メタヴァーミン
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人が気づいた時には、クロックアップを解除したカブトの右手がバタフライの腹から突き出ていた。

「な、何だ!?」

一瞬に起きたことに、キリトは頭の理解までもが追いつけなかった。

背中に根元まで突き刺した右手を固定すると、俺は高々と持ち上げた。

「ギシャアアア!!」

針に刺された昆虫めいた動きで暴れる第2のバタフライの叫び声は、俺にとっては耳障りなノイズでしかなかった。右手に集中し、左手の親指でカブトゼクターの脚に設置された3つのスイッチを順に押し始めた。

【One】【Two】【Three】

スイッチを順に押した後、カブトゼクターの角レバーを左に引き、右に戻した。

【Quick Charge】

ズシュウゥゥッ!!と重々しい振動音が地面を揺らす。カブトの右手から、光のビームが長々と伸び、捕らえた獲物を貫いた。

必殺キックに並ぶもう1つの必殺技__《クリムゾン・ジェネレード》。

胸郭(きょうかく)全体をごっそり大穴を開けられた蝶怪人は、凄まじい攻撃力の余波によって宙に1メートル以上も浮き上がり、砕け散った。

その死に様は、モンスターを倒した際に発生する死亡エフェクトなどより遥かに凄まじかった。

「す、すごい……」

「……ですね」

陰乍(かげなが)ら戦いを見ていたキリトとシリカは、驚きのあまりに呆然とした。同時に、感動に近い声を上げた。

「おい……お前、誰だ?」

カブトを凝視していたキリトが一歩前に進み出て、突然声をかけてきた。

「あの……言葉わかりますか?」

シリカが一歩前に前進し、まるで外国人にでも話しかけるような質問を繰り出した。この状況から逃げたくなった赤いスピードスターは、再び全身をスピードで包み、すっと姿を掻き消した。

「「あ!」」

2人同時に声を漏らす。

辺りを見回してみたが、カブトの影も形も一切見受けられず、余波で上がった塵だけが残っていた。

「……あいつ……何者だ……?」

キリトは驚愕の表情を浮かべたまま、脳裏に刻み込まれたカブトを振り返っていた。

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