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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
オレンジ&メタヴァーミン
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1階に降り、47層《思い出の丘》挑戦に向けてしっかりと朝食を取ってから表通りに出ると、すでに明るい陽光が街を包んでいた。これから冒険に出かける昼型プレイヤーと、逆に深夜の狩りから戻ってきた夜型プレイヤーが対照的な表情で生き交っている。
宿屋の隣の道具屋でポーション類の補充を済ませ、2人はゲート広場へと向かった。幸い、昨日の
勧誘組
(
かんゆうぐみ
)
には出会わずに転移門へと到着することができた。青く光る転移空間に飛び込もうとして、シリカは足を止める。
「あ……。あたし、47層の街の名前、知らないや……」
マップを呼び出して確認しようとすると、キリトが右手を差し出してきた。
「いいよ、俺が指定するから」
恐縮しながらその手を握る。
「転移!フローリア!」
キリトの声と同時に眩い光が広がり、2人を覆い込んだ。
一瞬の転送感覚に続き、エフェクト光が薄れた途端、シリカの視線に様々な色彩の乱舞が飛び込んできた。
「うわあ……!」
思わず歓声を上げる。
47層主街区ゲート広場は、無数の花々で溢れかえっていた。円形の広場を細い通路が十字に貫き、それ以外の場所はレンガとなっていて、名も知れぬ草花が今が盛りと咲き誇っている。
「すごい……」
「この層は通称《フラワーガーデン》って呼ばれてて、街だけじゃなくてフロア全体が花だらけなんだ。時間があったら、北の
端
(
はし
)
にある《巨大花の森》にも行けるんだけどな」
「それはまたのお楽しみにします」
キリトに笑いかけ、シリカは花壇の前にしゃがみ込んだ。薄青い、矢車草に似た花に顔を近づけ、そっと香りを吸い込む。
花は、細かい筋の走った5枚の花弁から、白いおしべ、薄緑の
茎
(
くき
)
に至るまで、驚くほどの精細さで造り込まれていた。
もちろん、この花壇に咲く全ての花を含む、全アインクラッドの植物や建築物が常時これだけの
精緻
(
せいち
)
なオブジェクトとして存在しているわけではない。そんなことをすれば、いかにSAOメインフレームが高性能であろうともたちまちシステムリソースを使い果たしてしまう。
それを回避しつつプレイヤーに現実世界並みのリアルな環境を提供するために、SAOでは《ディティール・フォーカシング・システム》という仕組みが採用されている。プレイヤーがあるオブジェクトに興味を示し、視線を
凝
(
こ
)
らした瞬間、その対象物にのみリアルなディティールを与えるのだ。
そのシステムの話を聞いて以来、シリカは次々と色々なものに興味を向ける行為はシステムに無用な負荷をかけているような強迫観念にとらわれて気が引けていたのだが、今だけは気持ちを抑えることができず次々と花壇を移動しては花を
愛
(
め
)
で続けた。
心ゆくまで香りを楽しみ、ようやく立
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