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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ハンティング
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ホットワインに似ていた。しかし、シリカは2週間の滞在でこのレストランのメニューにある飲み物は一通り試したのだが、この味は記憶にない。

「あの、これ……?」

キリトはニヤリと笑うと、言った。

「NPCレストランはボトルの持ち込みもできるんだよ。俺が持ってた《ルビー・イコール》っていうアイテムさ。カップ一杯で敏捷力(びんしょうりょく)の最大値が1上がるんだ」

「そ、そんな貴重なもの……」

「酒をアイテム欄に寝かせてても味が良くなるわけじゃないしな。俺、知り合い少ないから、開ける機会もなかなかないし……」

おどけたように肩をすくめる。シリカは笑いながら、もう一口だけゴクンと飲んだ。どこか懐かしいその味は、悲しいことの多かった1日のせいで硬く縮んだ心をゆっくり溶きほぐしていくようだった。

やがてカップが空になっても、その暖かさを惜しむようにシリカはしばらくそれを胸に抱いていた。視線をテーブルの上に落とし、ポツリと呟く。

「……なんで……あんな意地悪言うのかな……」

キリトは真顔になると、カップを置き、口を開いた。

「君は……MMOは、SAOが……?」

「初めてです」

「そうか。……どんなオンラインゲームでも、キャラクターに身をやつすと人格が変わるプレイヤーは多い。善人になる者、悪人になる者……。それをロールプレイと、従来は言ってたんだろうけどな。でも俺はSAOの場合は違うと思う」

一瞬、キリトは眼が鋭くなった。

「今はこんな、異常な状況なのに……。そりゃ、プレイヤー全員が一致協力してクリアを目指すなんて不可能だってことはわかってる。でもな、他人の不幸を喜ぶ奴、アイテムを奪う奴、……殺してまでする奴が多すぎる」

キリトは、シリカの眼をまっすぐ見つめてきた。怒りの中に、どこか深い悲しみの見える眼の色だった。

「俺は、ここで悪事を働くプレイヤーは、現実世界でも腹の底から腐った奴なんだと思ってる」

吐き捨てるように言う。直後、()()されたようなシリカの表情に気づき、すまない、と軽く笑った。

「……俺だって、とても人のことを言えた義理じゃない。……最初のパーティーメンバーの1人だったアイツが、自分から悪役をかっても……俺は、怯えて何もしようとしなかった。アイツ1人に、重荷を背負わせてしまったんだ。その上、俺は仲間を……見殺しにしたことだって……」

「キリトさん……」

シリカは、目の前の剣士が、何か深い懊悩(おうのう)を抱えているのだとおぼろげに悟っていた。(いたわ)りの言葉を掛けたかったが、言いたいことを形にできない貧弱(ひんじゃく)語彙(ごい)がうらめしい。その代わりに、テーブルの上で握り締められたキリトの右手を、無意識のうちに両手でギュッと
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