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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
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で……俺があなたに頼もうとしているのは……」
「復讐……」
「え?」
アッシュの言葉を途中で
遮
(
さえぎ
)
り、結論を引き出した。
「要するに、お前はそのロザリアという女に……復讐したいんだろ」
「い、いいえ。違います」
「違う?」
意外な返答に俺は驚きを隠せなかった。自分の仲間を殺されて、復讐を望まないのはおかしすぎる。それが俺の結論だ。
アッシュは腰のポーチから長方形の結晶を1つ取り出し、テーブルの上に置いた。
「これは、回廊結晶か」
《回廊結晶》。瞬間転移のためのゲートを開き、一度に多人数を転移させるためのアイテムである。攻略組がボス部屋への近道として使うケースがよくある。
「これは、俺が全財産を
叩
(
はた
)
いて買った回廊結晶です。監獄エリアが出口に設定されています。これで奴らを牢獄に入れてほしいんです」
「牢獄送りだと……」
俺は納得できず、反論した。
「そんなやり方は生温い。クズはどこまで行ってもクズでしかない。牢獄に送る必要などない。全員殺すべきだ。それこそ正しい復讐だ」
もしアッシュの言う通り、そのロザリアという女が虫の化け物……《ヴァーミン》だとすれば、牢獄送りなどで済む問題ではなくなる。
「もちろん、俺だって最初は殺そうと思いました。だから、この5日間、必死にレベル上げをしました。でも、気が付いたんです。死んでいった仲間達は、きっと俺がPKをすることを望まないと。だから、奴らを牢獄に送ることにしたんです。それが俺なりの復讐なんです」
「………」
俺は反論できなかった。身近にいる者を殺されたというのに、相手を殺したくないと言う者に会ったのは初めてだった。
俺はずっと前に、親友を殺した相手に復讐をしたいため、殺したことがある。復讐すべき相手に与えるべき裁きは《死》だと常に考えていた。《死》以外の復讐など考えたこともなかった。だからこそ、アッシュの言い分には納得がいかなかった。
だが、自身のギルドメンバーを殺した相手を牢獄に送ることが復讐だというのなら、俺にそれを止める権利はない。これはあくまでアッシュという他人の復讐であって、俺の復讐ではない。
「……いいだろう。引き受けてやる」
と言った途端。
「ほ、本当ですか!!あ、ありがとうございます!!」
依頼を引き受けると言った俺に対して、アッシュは深々と頭を下げた。
アッシュの復讐に関してはいまいち納得がいかないが、もし自分の復讐だったら、それ以上に納得がいかなかっただろう。
その後、俺は連絡できるようアッシュとフレンド登録を済ませ、回廊結晶を受け取り、そのままレストランから立ち去った。
その頃、第35層に
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