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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
ビーター
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身全霊の気勢と共に、剣を跳ね上げる。激戦を経て数箇所刃こぼれした刃が、先の斬撃と合わせてV字の軌跡を描き、イルファングの左肩口から抜けた。片手剣二連撃技、《バーチカル・アーク》。

コボルド王の巨躯が、不意に力を失い、後方へとよろめいた。

オオカミに似た顔を天井へと向け、細く高く吠える。その体に、ビシッと音を立てて無数のヒビが入る。

両手が緩み、野太刀(のだち)が床に転がった。直後、アインクラッド第1層フロアボス、《イルファング・ザ。コボルドロード》は、その体を幾千幾万のガラス片へと変えて盛大に四散させた。

ネザーの視界に、【You got the Last Attack!!】というシステムメッセージが、音もなく瞬いた。





ボスが消滅すると同時に、後方に残っていたセンチネルも(はかな)く四散したようだった。

周囲の壁に掲げられた松明(たいまつ)が、暗いオレンジから、明るいイエローへと色彩を変える。ボス部屋を覆っていた薄闇が一気に吹き払われ、どこからか涼しい風が吹いて激戦の予熱を押し流していく。

訪れた静寂を、破ろうとする者はなかなかいなかった。最後方のE・G隊は立ったまま、中陣のA・C・D・F隊は片膝立ちの回復待機姿勢で、そしてエギルとB隊を主にする《最後の(タンク)》達は床に座り込み、呆然と周囲を見回している。まるで、恐ろしい獣人の王が復活してくるのを怖れるかのように。

そして俺もまた、右手の剣を斬り上げた姿勢のまま、疲労して動くことができなかった。

その時、誰かの手がそっと俺の右肩に触れた。振り向いてみると、立っていたのは黒いコートを着た片手剣使いのキリトだった。黒い髪を微風に揺らしながら、ジッと俺を見つめながら囁いた。

「お疲れ」

その言葉に、俺は確信した。終わったのだ……8000人ものプレイヤー達を第1層に閉じ込め続けた最大の障害が、ついに取り除かれたのだ。

と、まるでシステムが俺のその認識を待っていたかのように、新たなメッセージが視界に流れた。獲得経験値。分配されたコルの額。そして、獲得アイテム。そして頭上に、【Congratulations!】という文字が浮かび上がった。

同じものを見たその場の全員が、ようやく顔に表情を取り戻した。一瞬の溜めのあと、わっ!!と歓声が弾ける。

両手を突き上げて叫ぶ者。仲間と抱き合う者。無茶苦茶な踊りを披露する者。嵐のような騒ぎの中、床から立ち上がってゆっくり近づく大きな人影があった。両手斧使いエギルだ。

「見事な指揮だったぞ。そしてそれ以上に見事な戦いだった。コングラチュレーション、この勝利はあんたのものだ」

途中の英単語を、それこそ見事な発言で言ってのけた巨漢は、口を閉じるとニッと太い笑みを浮かべた。巨
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